コラム
みちしるべ
2019-05-23
女性独自の視点で鳥取県の建設業を盛り上げようと、県内の建設業に携わる女性たちが集まって「とっとり建設☆女星ネットワーク」がこの4月に設立された。建設業の魅力発信や、若手技術者の悩み事相談などの活動を通して、建設業の活性化、地域社会の発展を目指す▼建設業は未だに男性中心の産業で、女性用のトイレや更衣室が無いなど、女性にとって働きにくいの現場もしばしば見受けられる▼しかし、女性技術者を育成することで、社員同士の会話が増えた、現場の雰囲気が明るくなったなど、多くのメリットも報告されている。ひいては、これらの環境変化が担い手確保・育成にも大きく貢献してくれることもあるだろう▼3Kから新3Kの次代へ変わろうとしている昨今、女性の活躍は不可欠だ。(鴨)
みちしるべ
2019-05-22
県内設備設計最大手のエクス・プラン(米子市)の代表取締役社長で県設備設計事務所協会副会長の宮本秀成氏がこのほど、57歳の若さで急逝した▼5月27日に鳥取市内で開かれる同協会の令和元年度定時総会で会長に選任される予定だっただけに関係者のショックは相当に大きい▼しかも、6月7日に米子市内で開かれる県建築士会西部支部の50周年記念式典にも携わっていただけに、なおさらだ。今後の活躍が期待されただけにその死を惜しむ声は多い▼このほど鳥取市内で開かれた県管工事業協会の総会の後の懇親会の席で、同協会の守山康仁会長にあらためて弔意を表したが、当然ながら、落胆ぶりが見て取れた。社業もそうだが、協会運営の方も悲しんでいる暇を与えない。非情ながら前を向くしかないのが世の常か。(鶯)
みちしるべ
2019-05-21
4月下旬から5月下旬にかけては業界団体の総会シーズン。今年は御代替わりもあり、各団体長があいさつで平成の時代を振り返る言葉が目立った▼平成の時代には大きな自然災害が多発した。平成7年の阪神淡路大震災、23年の東日本大震災、28年の熊本地震。県内でも12年に鳥取西部地震、28年に鳥取中部地震、29年に鳥取豪雪、30年には7月豪雨があった▼これまで多くの自然災害で応急対応と復旧に力を発揮してきた建設業。各団体長とも今後の課題として担い手の確保・育成が第一に挙げられると声を揃える▼自然災害はいつやってくるかわからない。これまでのように地方の建設業者の技術力と機動力を維持し続けることが地域の安全と安心を守る重要な要素だろう。(鷹)
みちしるべ
2019-05-20
令和元年度の県土整備部予算は、10年ぶりに500億円を突破する見通しになった。予算編成中の6月補正で過去最大級の260億円を肉付けし、補正後の総額は529億円規模。前年度同期を60億円も(13%増)上回る▼補助の岩美道路30億円、倉吉関金道路10億円など地域高規格道路は前年比41%の大幅増。交付金事業も「防災・減災、国土強靭化のための緊急対策」によって重点配分された▼中身をみても県内業者向けの仕事量は確実に増えることが予想される。昨年の災害復旧工事を巡る入札不調からしても、ここ20年で業界の機動力は明らかに低下してしまった▼仕事量が一定程度見込まれるなか、急がれるのは若年雇用をはじめとする経営体制の立て直しだ。賃金アップなど待遇改善は待ったなし。業界自らが腰を据えて取り組みたい。(鷲)
みちしるべ
2019-05-17
「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり」(平家物語)。「古代インドにあった僧院。サンスクリット語が漢訳で、祇樹給孤独園(ぎじゅぎっこどくおん)精舎」。この省略が祇園精舎で生者必滅の理を表す▼この響きにあるように「音」は時代を表す。明治時代は「文明開化の音」、大正時代は「大正ロマン」、竹久夢二のように「人情の哀音」。昭和時代は「公衆電話からテレホンカードが出てくる音」も。平成時代は▼『擬音語・擬態語辞典』(講談社学術文庫)にも、「音は社会を映し出す」。たとえば「建てつけの悪いドアをあけ、ガタピシと鳴る階段をあがる」。ずっと以前、あった音が今はない▼「すかすか」=容器に対し中身が足りず、隙間が多くある様子。先の10連休には、「ノー」が大半だった。(雉)
みちしるべ
2019-05-16
「百聞は一見にしかず」ということわざがある。意味はご承知の通り。見ることで得られる情報の量や正確性は疑う余地がなく、とても説得力のあることわざだ▼だからと言って、決して聞くことが無駄というわけではない。目に見えない、見ても分からないものはたくさんある。むしろ見えてこないものの方が重要な場合も多々ある▼さまざまなデータや統計から担い手不足は喫緊の課題だと認識できるが、実際に人手不足が起きている現場でどのような弊害が起きているかまでは把握は難しい。問題を解決へ導くには画面や表に現れない事柄を聞き出し、深く掘り下げる作業が必要になる▼報道の使命は情報を正確に、早く、広く発信することだ。建設業界の明るい未来のために何百回も取材し、一見のために百聞する。(雛)
みちしるべ
2019-05-15
全国測量設計業協会連合会中国地区協議会(大野木昭夫会長)を構成する5つの県測協が9日、大規模災害で相互応援協定を結んだ。切っ掛けは、やはり昨年7月の西日本豪雨災害▼広島の災害は周知の通り現在もまだ災害査定が終わってやっと設計に入ったような状況。広島県測協の会員だけでは全然手が足らない。以前、九州の災害時には九州地区の会員が協定支援をした▼今回は広島だけでなく岡山も山口(岩国)も、そして鳥取県も東部で被害を受け、辛うじて島根県だけが少なかった。そうした事情もあって支援要請を受けてもなかなかそれに応えられなかった▼また、支援内容の調整にも時間がかかった。こうした教訓を生かし「備えあれば患いなし」。今後の大規模な災害に対してより迅速な支援体制が一つ整った。(鴉)
みちしるべ
2019-05-14
長い連休だったこともあるが、気づけば5月も中旬。梅雨入りも遠くないと思うが、今年の雨はどうか。気象の知識はないが、雪が少ない冬だったから、雨が多く降るのではないのかと心配する▼昨年は、夏に西日本豪雨。その後も台風によって、県東部の智頭町などでは、大きな被害を受けた。復旧工事はまだ進んでいないから、被災地に豪雨が発生すれば、大変なことになりかねない▼危ない場所は早急に手を打つべきだろう。行政は早めに注意を呼びかけるが、自分が暮らしている地域は大丈夫だろうという気持ちを多くの人は持つ。避難の遅れが大惨事につながる▼地域から行政に出される要望の多くは公共施設の整備が占める。実現までには難しい課題も多くあるが、危険を見逃すことはできない。(鷺)
みちしるべ
2019-05-13
本紙受注NEXT2018年度確定版による県下1カ年間の建設事業量は、昨年度より約112億円の増加していた。18年度当初は鳥取西道路や境港漁港高度衛生施設、中央病院建設など大型工事の終盤によって事業量の大幅減少が危惧されていたが、結果的には昨年7月の豪雨災害復旧事業を中心に、178号岩美道路、境港貨客船T棟新築、9号北条道路事業などの工事によって増加となった▼今年度は脆弱な国土保全に向けた国土強靭化事業が集中的に進められることで、事業増が見込まれそうだ▼一方で、今年10月には消費増税が予定されている。実施されると、可処分所得増額感が乏しい地方経済は一気に冷えこんでしまう恐れがある▼建設事業量の安定的な供給こそが地方経済を支える根幹施策といえる。(雀)
みちしるべ
2019-05-10
連日報道される交通事故のニュース。8日には、大津市の交差点で乗用車と衝突した軽自動車が、そのはずみで保育園児らの列に突っ込み、多数の死傷者が出るという痛ましい事件も起きた▼実際に事故を起こした人を対象とした調査では、ストレスを強く感じている人ほど、事故回数が多いという結果が出ている。ストレスがたまり、イライラしている時に自動車に乗ると、運転が荒くなり事故を起こしやすくなるのだろう▼労働災害も同様で、普段であれば容易に対処できることであっても、高ストレス状態では認知機能が正常に働かず、事故を起こしてしまう可能性が高まる▼現代人は皆、何かしらのストレスを抱えていると思うが、そのストレスを少しでも和らげられるようなツールを常に持っておきたいものだ。(鴨)