中東情勢受け資金繰り支援/県が融資枠90億円に拡大
県は6月補正予算に、「エネルギー・原材料価格高騰・円安対策特別金融支援事業」として5億9212万円を計上した。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格や建設資材価格の上昇、円安の長期化による県内企業への影響を踏まえた措置で、資金繰り支援の強化を図る。
事業では、現在運用している地域経済変動対策資金(エネルギー・原材料価格高騰・円安対策枠)を拡充。融資枠を90億円に拡大し、受付期限を2026年9月末までの3カ月延長する。運転資金や設備資金に加え、保証付き借入金の借換資金も対象とする。
融資限度額は2億8000万円、融資期間は据置期間3年以内を含む10年以内。融資利率は年1・63%(変動金利)で、信用保証料率は0・23~0・68%となる。
対象は、エネルギー・原材料価格高騰や円安の影響により、売上高や利益率が減少した県内中小企業者など。建設業では、鋼材やアスファルト合材、生コン製造に関わる燃料費の上昇、設備更新費用の増加などによる経営負担への対応が期待される。
また、市町村が利子補助を実施する場合、県が補助経費の2分の1と事務費を支援する制度を創設。借換資金部分を除き、最長3年間の実質無利子化を可能とし、中小企業の負担軽減を後押しする。
鳥取市/城跡に複合型休憩所を整備/7月にも設計・地質を公告
鳥取市は、鳥取城跡内にある久松公園(同市東町)米蔵跡周辺に、休憩施設や展示施設、バリアフリートイレなどを一体化した複合型ビジターセンターを整備する。12日開会の6月定例市議会に提出する一般会計補正予算案に、同整備事業費として5983万円を計上。予算成立後、早ければ7月にも測量、新築設計、地質調査の業務3件を発注する。2029年3月に予定する鳥取城跡のリニューアルオープンに向けて整備を本格化させる。
計画によると、米蔵跡にある既存の公衆トイレと東屋(=写真)を解体し、跡地に平屋建て延床面積300平方メートルの新たなビジターセンターを建設。市民や観光客の交流・滞在促進を図る拠点として、館内には休憩スペースやクールシェルター、バリアフリートイレのほか、鳥取城跡の歴史を解説する展示施設を配置する。
また、建設地が文化財区域内に位置することから、施工内容に制限が生じるため、建築物の構造については設計と並行して検討を進める。あわせて、ユニバーサルデザインの観点から建物周辺の外構などについても再整備を実施する方針。
今回計上された整備事業費の内訳は、測量設計業務に2420万円、新築設計業務に2493万円、地質調査業務に1070万円。担当する市河川公園課によると、補正予算案の承認が得られれば、7月頃にもこれら3件の業務を同時発注する見通し。
今後のスケジュールとしては、今年度中に設計・調査を完了させて概要をまとめ、2027年度から建築工事に着手。2カ年をかけて工事を進め、2028年度内の完成を目指す。計画段階における総事業費は約5億2000万円を見込んでいる。
はわいBP進捗など協議/県と湯梨浜町が意見交換
湯梨浜町と県中部総合事務所県土整備局との意見交換会が4日に開かれ、県が事業を進めているはわいバイパスの進捗状況など同町内で展開されている事業について情報共有した=写真。
町側からは、昨年に引き続き町内河川の伐開、河床掘削、県管理道路の舗装について要望。これに対し県は、「要望のあったカ所を確認して優先順位を決めて実施していく。また、国道179号線の舗装工事は2年連続で不落札となっていて今年も発注するが、再度不落札だった場合には応急処置も考える」と答えた。また、大雨時に冠水する湯梨浜町長江2区の排水路改修では、今後現地を確認して対応を検討するとした。
県側は、国道179号はわいバイパスについて、今年度中の供用に向けて整備中で、地元調整が必要な時の協力を依頼。東郷池改修事業は、東郷川左岸側の護岸工事を進めると報告。これに対し町が「羽合温泉や上浅津側も浸水被害が発生しているので対策の必要がある」と話し、県側は「まずは浸水の原因をつきとめる事。それに対して県、町それぞれの役割を考えていきたい」と解答し、今後も協議を続けていく。
意見交換会には町から宮脇町長ら8人、県から藤本直幸局長ら12人が出席した。
県土整備部/大呂・地すべり対策/計画見直し30年度完成へ/集水ボーリングを延伸
智頭町大呂地区の地すべり対策について、県土整備部は2026年度の完成を予定していた計画を延長し、30年度完成に見直した。詳細な地質調査を実施したところ、集水ボーリング約1000メートルの延伸が必要になった。
大呂山は「平成30年7月豪雨」の影響を受け、斜面に地すべりの兆候が再発し、翌19年と20年に小規模な崩落が発生。同部は21年度までに、地下水が多く含まれる山頂北東部ブロックの排水を柱とした対策計画をまとめていた。
当初計画では21~26年度の6年間で集水井4基、集水ボーリング4434メートルを施工。事業費は6億8400万円を見積もっていた。
その後、地質調査の結果、集水ボーリングの削孔長を延伸することにし、施工中の排水ボーリングでも想定よりも悪い地質であることが分かった。
計画変更後は、集水ボーリングを約1000メートル延伸して5545メートルとし、30年度までの事業費は約3億円追加して9億9300万円を試算した。
同部治山砂防課によると、地すべりの状況は近年、沈静化しており、年間18ミリ程度の変動が観測されているという。同課は「観測を継続し、安全第一に早期の事業完了を目指したい」と話している。
大呂地区を巡っては、斜面崩落の被害を避けるため、斜面下を走る県道津山智頭八東線のトンネル化約205メートルを含む延長約400メートルのバイパス事業が25年度から進められている。
地すべり対策計画を延長した大呂地区
中東情勢受けて対策会議/資材高騰や供給動向を確認/鳥取県
県は8日、中東情勢の緊迫化に伴う原油・資材価格の高騰や供給状況への影響を把握し、対応策を検討するためのプロジェクトチーム(PT)会議を県庁で開いた。県民生活や産業活動への影響を最小限に抑えるため、各部局が現状認識を共有し、今後の対応方針について意見交換した。
平井伸治知事は冒頭、「県民生活や産業活動を支えることが大事だ。物資や価格の高騰状況をモニタリングしてきたが、6月に入り長期化も予想される。現状を共有しながら機動的に政策を進めていかなければならない」と呼びかけた。
県によると、国の動きは、原油やナフサについて政府が代替調達を進めている。赤沢亮正経済産業相は今月2日の記者会見で、原油は6月に従来の約8割に相当する代替調達の見通しが立っているほか、ナフサも従来の85%程度まで回復していると説明したことを報告。今後は関係省庁が連携し、燃油などの流通の目詰まり解消に向けた対策を講じる。
塗料やシンナー、塩化ビニール管などについては、足元では供給量が安定・増加傾向にあり、継続供給が可能との見通しが示された。建設・住宅資材やアドブルーについても、供給回復と流通改善に向けた取り組みが進められているという。
会議では建設業への影響も報告された。県によると、ストレートアスファルトは約50%、アスファルト合材は約20%値上がりしているほか、塗料やシンナー類の不足が続いている。資材の納期が見通せない状況もあり、工期への影響が懸念されている。
また、供給量不足に伴い塗料メーカーなどの価格改定時期が不透明なことから、県は独自単価の設定を進める方針。「物価資料に掲載されていない資材については、各県土で単価を策定するよう求めている」と呼びかけている。
今後は市場取引単価を速やかに設計価格へ反映するとともに、市場調査を継続して実施する。契約済み工事については、県内で14件に適用している単品スライド条項(主に舗装工事)を活用して対応するほか、資材調達の遅れによる工期延伸協議にも柔軟に応じるよう、各発注機関へ通知している。
なお、県は4月以降、国に対して計3回の要望活動を実施しており、引き続き資材供給の安定化や価格高騰対策を求めていく考えだ。
県建築士会/会長に松山氏を再任/26年度通常総会開く
県建築士会(松山久会長)は5日、鳥取市内で2026年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で松山会長の再任を決めるとともに、副会長3人のうち1人に尾崎浩秀氏(尾崎設計事務所)を新任した。
総会には委任状を含む609人が出席。あいさつに立った松山会長は「先行きの不透明な社会情勢が続くが、引き続き会員の皆様と共に頑張っていきたい」と呼びかけた。
26年度の事業計画では、講演会や調査研究、指導宣伝、作品競技など13項目を設定。活動方針には地域貢献活動の充実や情報発信の強化、相互交流の促進などを掲げた。
新しい役員は次の通り。(敬称略)
▼会長・松山久(桑本建築設計事務所)
▼副会長・赤山渉(赤山建築設計事務所)、木下俊哉(木下俊哉建築設計事務所)、尾崎浩秀(尾崎設計事務所)
▼専務理事=遠藤淳
▼理事=尾崎栄子(おさき住環境設備)、来田裕子(桜や建築設計工房)、杉内勝成(杉内)、中島直行(白兎設計事務所)、南波一好(フォーディー設計)、花本浩児(本間設計事務所)、森田健(鳥取市建築住宅課)、吉田貴久(やまこう建設)、田中一義(白兎設計事務所)、若松高幸(アオキ建設)、内田恵子(シンワ技研コンサルタント)、藤原圭佑(アーク設計工房)、山下愛子(安本設計事務所)、高田誠一郎(桑本建築設計事務所)、村社泰則(白兎設計事務所)、増井幸一(美保テクノス)、遠藤学(學設計)、阿武由美(美保テクノス)、足澤麗(県立産業人材育成センター米子校)、伊藤玉一(平設計)、津田雅司(津田建築)
▼監事=門脇美鈴(門脇構造研究所)、田中但男(大和建設)、戸田雅之(一級建築士事務所戸田設計)、松浦啓介(大松建設)
再任された松山久会長