特集/国の予算配分踏まえて/各機関が発注本格化へ/米子市は100億円超の事業
国の2026年度当初予算を踏まえた事業費が県内各機関でほぼ固まり、大型連休明けから発注が本格化する。県鳥取県土整備事務所は前年度後半の補正を含め102億円、県米子県土整備局は92億円規模を想定。市町村では米子市が県内19市町村で最大となる普通建設事業費126億1871万円で、学校施設の改修などの大型事業を進める構えだ。
各機関が順次発注を計画する中、日刊建設工業新聞は県内発注機関の26年度の事業計画書を発行した=写真=。予算に基づき、計画される工事、業務を示すとともに、注目事業などをまとめた。
国認証を受けた各県土の事業で、鳥取県土は鳥取鹿野倉吉線の高住~良田の改良などに取り組み、米子県土は倉吉江府溝口線(一の沢橋)の復旧工事などを主要事業に、近く発注見通しを固め、順次公告作業を進めるという。他県土も配分を受け、事業費を詰めている。
市町村では、前年度比8・8%増の普通建設事業費となった米子市で、下水道の管渠新設工事の発注公告が集中する。26年度は10年概成方針の最終年度に当たり、整備の追い込みを図る。学校施設の改修では、市立小中学校体育館の空調整備を急ぐ。
鳥取市は、米子市に次いで普通建設事業費が58億9700万円と多いものの、前年度に比べると40・4%減。学校給食センター配備や神谷清掃工場解体など大型事業が一通り終わったためで、26年度は気高地域新設統合小学校の整備事業などの進捗を図る考えだ。
倉吉市も県立美術館周辺整備事業が一段落したことなどに伴い、普通建設事業費は21億9810万円と28・3%減。PFI手法で進めている市営長坂新町住宅等建替事業、史跡大御堂廃寺跡整備工事などが主要事業となる。ただ、両市は今春の市長選を控え、当初予算を骨格編成としたため、今後、肉付け予算として編成される補正予算で、事業量が膨らむ可能性がある。4市で残る境港市の普通建設事業費は42・2%減の18億3240万円。
町村では、北栄町の普通建設事業費が41億6144万円。青山剛昌ふるさと館の新築移転工事の本格化、中央公民館大栄分館の建て替えなどの大型事業が重なり、3・6倍の伸びとなった。伸び率では、大山町も顕著で116・1%増の16億8233万円。小中学校の改修やLED改修などで積みあがった。
事業計画書は、こうした予算や各事業の概要を網羅。対象としたのは46機関。全116ページ。
特集/受注・採用の「新基準」/三種の認定取得で経審加点
総会シーズンに入り、各会長のあいさつに耳を傾ける。業界の人手不足や「玉不足」は今に始まったことではないが、イラン情勢による先行きの不透明さから、その言葉にはかつてない焦燥感がにじむ。
近年、工事の受注を左右する「経営事項審査(経審)」の点数アップと、人手不足への解決策として「ユースエール」「えるぼし」「くるみん」の3つの認定制度を検討・取得する企業が増えている。
えるぼしとくるみんでは最大5点が、ユースエールでは4点が「社会性等(W点)」に直接加算される(複数取得の場合は最も評点が高いもの)。建設業者の取得数が増加しており、競争が激化する入札現場や人材市場での「新基準」になりつつある。
▼若手が主役の「ユースエール」【経審加点4点】
若者の採用と育成に力を入れている中小企業を認定する制度で、若手の離職率(20%以下)であることや、残業量(月平均20時間以下)、有給休暇の所得割合などが取得の基準となる。県内認定数は21社。西谷技術コンサルタント、美保テクノス、やまこう建設など。 ▼女性が輝く「えるぼし」【経審加点2~5点】
採用数や継続勤務年数に男女差がないか、管理職の女性割合、非正社員から正社員への転換実績などで評価される。県内認定数は18社。サンユー技研工業、一高土木、大和建設など。
▼子育てを支える「くるみん」【経審加点3~5点】
男性の育休取得実績があることや、女性の育休取得率が75%以上であること、法定時間外労働時間が60時間以下であることなどが求められる。県内認定数は28社。原田建設、井木組、未来建設など。
発注数の大幅増が見込めず、少子高齢化がますます加速する昨今。こうした認定は単なる「お墨付き」から生き残り戦略へと変わりつつある。※記事中の数値は今年3月末時点
法面関係工事は10件に/古市などを段階的に発注/鳥取県土
県鳥取県土整備事務所は今年度上半期に10地区の法面関係工事を発注する。新規に国道482号の古市地区などで工事を予定しており、総額は4億8000万円を投じる。
5月中にも公告を予定している工事は、鳥取市気高町上光の西分地区急傾斜地崩壊対策、同市の大畑地区急傾斜地崩壊対策、国道482号(同市佐治町古市)の災害防除工事。西分地区は法面保護工、大畑地区はアンカー工。古市地区については2年前に道路沿いの法面が崩落しており、今年度から工事に入る。発注する工事は法面保護工で、工事費は9000万円程度になる見通し。
6月以降には同市河原町片山の山滝谷地区急傾斜、同市の立川地区老朽化対策、福部町の岩戸地区復旧治山が法面保護工。用瀬町の県道加茂用瀬線災害防除は屋住工区の落石防止網工を発注する。一方、7月以降には鹿野町の鷲峯地区復旧治山がアンカー工、佐治町の余戸地区復旧治山が法面保護工。佐治町尾際の国道482号災害防除工事は7000万円規模で落石防止ネットを設置する考え。
倉吉市/肉付け予算を発表/総額14億7600万円
倉吉市は、新規事業や政策的経費を盛り込んだ2026年度一般会計補正予算案を公表した。春の市長選に伴い、骨格編成としていた当初予算を肉付けする予算で、総額14億7663万8000円を盛り込んだ。
再選を果たした広田一恭市長が市長選で掲げた公約を踏まえ、子育て支援、経済活性化、防災対策などを念頭に編成。4月28日開会の市議会臨時会に提出した。
土木関係では、老人福祉施設「巌城はごろも苑」跡地で計画する工業用地化事業で、進入路整備工事費に1億1700万円、工損調査の委託料に1200万円を計上。
七峰公園と上灘中央公園のインクルーシブ遊具設置工事費に計1371万1000円、土砂災害ハザードマップの作成委託料に1133万円を充てた。
建築は、同市尾原で計画する旧灘手小学校の改修工事費に7352万4000円。隣接する灘手コミュニティセンターの耐震強度が不足しているため、廃校となった校舎を活用した機能移転を計画しており、工事監理委託料として441万8000円も盛り込んだ。
日帰り温泉施設「せきがね湯命館」(倉吉市関金町関金宿)と、隣接する交流施設「倉吉市関金都市交流センター」の改修に向けた基本設計と実施設計の委託料に1518万円を予算化。一体的に改修し、レストラン機能を同センターへ移設し、外部から直接利用できる「食の拠点」を形成するという。
設備関係では、倉吉パークスクエアの照明LED改修工事費に8592万1000円を計上。交流プラザ西側の設備の取り替えを進める。工事監理委託料は534万3000円。また、同スクエア内の多目的広場のトイレ改修に向けた設計委託料に176万6000円を盛り込んだ。
このほか、北庁舎受変電設備更新工事費に2847万9000円、工事監理委託料に222万9000円、本庁舎の外壁調査などの庁舎定期点検委託料に995万7000円、伯耆しあわせの郷のエレベーター改修費に2420万円を割り振る。
湯谷政博会長を再任/「守り手としての使命を」/県東部技士会が通常総会
県東部土木施工管理技士会(会員378人)の26年度通常総会が鳥取市のホテルモナーク鳥取であり、任期満了に伴う役員改選では湯谷政博会長を再任。また、副会長には藤原正弥氏(藤原組)を新任した。
会の冒頭で湯谷会長は「東部地区では防災・減災に関わる工事発注が続いている。担い手不足や資材費高騰は一層厳しさを増すが、引き続き地域の守り手としての使命を果たしていく」と会員に呼び掛けた。
総会には会員32人が出席(委任状337人)。議事では寺谷尚樹氏(興洋工務店)が議長を務め、25年度収支決算を承認した。また、26年度事業には、発注者との意見交換会や鳥取工業高校の生徒との交流会、現場見学会などを計画。
役員改選では理事20人、監事2人を選出し、議事で承認した。新役員は次の通り。(敬称略)
▼会長=湯谷政博(やまこう建設)
▼副会長=下山隆彦(興洋工務店)、森本邦彦(大和建設)、藤原正弥(藤原組)
▼理事=檀床真也(一高土木)、村上孝二(栗山組)、野藤悦男(興洋工務店)、寺谷尚樹(同)、山根省人(大晃工業)、桝田圭之輔(大和建設)、濱野佳広(同)、山崎康司(東洋交通施設)、岸野大輔(藤原組)、瀧尾昭仁(同)、高垣紀宏(未来建設)、嶋澤茂樹(やすなが工事)、竹森敦志(やまこう建設)、山本真一(同)、川上啓志(吉田建設)、居川茂樹(同)
▼監事=山本隆(船本建設)、山口明彦(福上工業)
また、総会に先立ち、鳥取県土整備事務所の澤邦洋副所長が「県土整備部の最近の話題」と題して、土木工事監督基準の改正や建設DXの取り組みについて講演した。
あいさつする湯谷会長(写真左)
東部建設業協会/「業界全体で技能の研鑽を」/藤原正会長を再任
県東部建設業協会(会員77社)の26年度通常総会がこのほど、鳥取市内であり、任期満了に伴う役員改選では、藤原正会長(藤原組)を再任した(=写真)。
深沢義彦鳥取市長ら6人を来賓に招いた総会には委任状を含め71人が出席。藤原会長は冒頭あいさつで「工事発注量は減少し、人手不足や資材費高騰など大変厳しい状況にある。関係機関との協議を進めつつ、業界全体で技術技能の研鑽(さん)に励みたい」と結束を呼び掛けた。
議事では、野藤悦男氏(興洋工務店)を議長に、25年度収支決算を承認。26年度事業計画や収支予算などを報告した。
任期満了に伴う役員改選では、選考委員が理事・監事22人を選出し、議事で承認した。新役員は次の通り。(敬称略)
▼会長=藤原正(藤原組)
▼副会長=鶴石健治(やまこう建設)、野藤悦男(興洋工務店)、田口誠(田口工業)、森本省治(森本組)、加藤辰宏(ジューケン)
▼理事=大谷廣秋(大谷組)、杉浦芳信(杉浦工業)、影井一清(大和建設)、田中弘文(田中組)、原田實(原田建設)、尾崎和也(尾崎工務店)、田村淳治(正田工業)、山本誠(鳥取シャッター)、有田知弘(東部林業)、宮部賢治(宮部建設)、奥田真悟(YD)、安部裕子(田中工業)、荒田潤之介(千代田工務店)
▼監事=高垣紀宏(未来建設)、坂口大介(kyowa)、濱中安男(田中建設)
再任された藤原正会長