公共事業費確保を緊急要望/「脱補正」や骨格予算を懸念/建協・影井会長
高市政権による「脱補正」で予算動向に不安が広がる中、県建設業協会の影井一清会長は9月30日、県土整備部の吉野睦部長に公共事業予算の確保や発注の平準化を緊急要望した(=写真)。吉野部長は「(今年の)補正はないだろうと動いている。できるだけ工事量が落ち込まないように県の中でも調整したい」と答えた。
影井会長は、補正予算に依存しない高市政権の財政運営や、来春に控える知事選で骨格予算の編成を念頭に、公共事業費の継続的な確保を要望。併せて「年度当初に切れ目なく仕事ができる環境づくりを」と述べ、4月から6月にかけての適期施工を求めた。
これに対し、吉野部長は「年度当初に工事業が落ち込まないよう、債務負担行為の活用で影響を少なくしたい」と話し、ゼロ県債などの債務負担を積極的に上積みする考えを提案。
その上で「今回は過渡期ととらえ、年度当初から工程を管理し、発注や工期が集中しないよう平準化を進めたい」と説明した。
また、影井会長は東部地区の工事量について「危機的な状況に近づいている」と言及。吉野部長は「シェアで一番大きいが、(工事量の)変化が激しい。様々な事業を仕込んでいきたい」と理解を求めた。
江府町保育園が大型・年内/下半期の西部管内建築予定
県西部管内の2026年度後半の主な建築系工事は、県、米子、境港両市、江府町などで発注が控える。同町のコミュニティパーク新築工事が大型案件で、11月~12月の開札が見込まれる。
県工事は、境港市弥生町の県営住宅弥生団地3棟の外壁屋根断熱改修。建築一般A級対象で、劣化部補修などが内容。予定価格6144万6000円で9月30日に公告しており、開札は10月22日。工期は27年3月19日までに設定した。
境港市では、同市誠道町の市営夕顔団地7A棟のエコ改修工事が予定されている。概算工事費4億1000万円で、外断熱、複層ガラス化、屋上防水、給排水管改修などを計画。今月2日までを会期とする9月定例市議会に提出した一般会計補正予算案に工事費を盛り込んでおり、認められ次第、市は今月中にも建築・機械・電気の3件に分けて調達公告。12月議会での契約承認と27年1月以降の着工を目指す。
同市は9月補正で、同市外江町の外江こども会館(旧わかまつ幼稚園)の解体に向け、工事費3054万円を予算化。建物は1977年建築の鉄骨造園舎と木造倉庫2棟で、建築面積は計360平方メートル。今月中の発注を見込み、工期は約4カ月で年度内の完了を予定する。
また、米子市は同市中町の旧庁舎新館の解体工事を、建築解体向けに発注する。概算工事費1億4200万円で、12月ごろの着手、27年5月ごろの完了を計画する。
江府町のコミュニティパークは、「保育園らしくない保育園」をコンセプトに、保育機能と公園、地域交流機能を融合した拠点として整備する計画=写真=。町は、建築工事費15億8600万円を見込んでおり、電気設備、機械設備包含で、2~3者JVを対象に発注する予定。県西部の県建築一般A級12社を対象に予備指名通知を終えており、10月下旬の現地説明会を経て、入札に向かうという。設計は羽子田設計・グラムデザイン・DOGJVが担当。
このほか、日南町で、同町生山の子育て支援センター敷地内に、放課後児童クラブの新施設(木造平屋約50平方メートル)を整備する工事が予定される。
県と4市13町村/きょう1日から共同受付開始/27・28年度入札参加申請
県土整備部は1日、2027・28年度発注の建設工事と測量等業務で入札参加資格申請の受け付けを開始する。前回25・26年度に引き続いて「資格審査申請共同受付システム」(TCAS)を活用。県内4市・13町村とともに受け付け窓口を一本化し、原則、電子申請によるTCASを本格稼働させる。(4面の表参照)
来年4月当初認定の受付期間は10月1日から27年1月31日まで。
TCASは納税証明書など県と市町村の共通資料を県が一括して審査。その後、各市町村が必要とする個別資料を2次審査する仕組み。24時間受け付けで、申請者は各自治体に資料提出する手間が省ける。前回の受け付けでは、申請者のうち8~9割方がTCASを利用した。
同部では先月からホームページ(HP)上に手引きや申請に必要な書類をアップ。ダウンロードして利用可能な状態にしており、受け付け準備を進めてきた。
TCAS参加の県内市町村は今回、新たに智頭町が加わり、八頭町と日南町を除く▼鳥取市▼倉吉市▼米子市▼境港市▼岩美町▼若桜町▼智頭町▼三朝町▼湯梨浜町▼琴浦町▼北栄町▼日吉津村▼大山町▼南部町▼伯耆町▼日野町▼江府町―の4市・13町村になった。
また、入札参加資格申請では、27・28年度県発注の植栽管理業務の受け付けを11月2日から開始する。TCASによらず県単独の受け付けで、電子申請サービスと合わせて紙ベースでの申請も可能。4月当初認定の受付期間は、11月2日から27年1月22日までを予定している。
鳥取市/中心市街地の将来像描く/グランドデザイン策定へ
鳥取市は9月29日、「鳥取市中心市街地グランドデザイン」の年度内策定に向け、第1回検討会議を本庁舎市民交流棟で開いた。鳥取駅周辺の再整備を契機に、中心市街地全体を面的に捉え、官民が連携して将来像や実現に向けた方策を描く。
グランドデザインの策定は、鳥取商工会議所から今年1月に提出された「鳥取駅周辺エリアの全体像(グランドデザイン)」の提示を求める意見書や、これまでの「鳥取駅周辺リ・デザイン会議」で、駅周辺にとどまらず中心市街地全体の将来ビジョンを示す必要性が指摘されていたことが背景にある。
グランドデザインでは、中心市街地全体の目指す将来像と基本方針を示すほか、特徴の異なるエリアごとに「ミライのすがた」を描く。このほか、中心市街地のポテンシャルや課題を整理し、将来像の実現に向けた活性化戦略、ロードマップ、推進体制などを盛り込む。民間主導の官民連携で策定し、市が策定する次期中心市街地活性化基本計画(第5期、2028年4月~33年3月)の中核に位置付ける考え。
初会合では、庁内関係課へのヒアリング結果に加え、5エリアを対象に実施した19者へのヒアリング内容を報告。今後、各エリアの特性や課題を踏まえながら、年度内に2回程度会議を開き、中心市街地全体の将来像や具体的な取り組みについて検討を進める。
事前2件、再評価3件は妥当/県公共事業評価委/新規に境漁港岸壁整備
県公共事業評価委員会(会長・松村一善鳥取大学農学部副学部長)は9月29日、県から諮問されていた新規事業の境漁港岸壁など事前評価2件と、再評価3件の事業内容を全て妥当と判断した。年内から年明けにかけて知事答申する。
県が来年度から事業化を目指す境漁港係留岸壁は、大型漁船の係留に対応するため、岸壁を延伸するほか、水深をマイナス7・0メートルに掘り下げる。県は「自立矢板式」工法案の優位性を説明したほか、水揚げ量の増加を見込んだ費用便益比1・49を示した。
また、今年度着手の金持秋縄線は、日野町金持~秋縄地区にかけて幹線林道の整備によって木材生産経費の縮減につなげ、木材利用の増進効果を狙う。
このほか林道3件は事業化後、一定期間が経過した再評価。県は造林作業経費縮減や洪水防止機能といった便益や、林業従事者の担い手確保の取り組みについても説明を加えた。
評価委は各事業の投資効果などに必要性を認め、新規着手と事業継続を妥当と結論付けた。今後、年明けにかけての知事答申に向け、答申案の作成に取り掛かる。
諮問されていた5事業は次の通り。
※事前評価
▼境漁港係留岸壁整備事業(境港市)=岸壁増深マイナス7・0メートル、延長130メートル=事業期間27~32年度、全体事業費18億5000万円
▼森林環境保全整備林道事業(金持秋縄線)(日野町)=林道開設7500メートル、幅員4・0メートル=事業期間26~40年度、全体事業費35億3600万円
※再評価
▼森林環境保全整備林道事業(富海福山線)(倉吉市・三朝町)=林道開設1万0200メートル、幅員3・5~3・6メートル=事業期間17~34年度、全体事業費19億3300万円、進ちょく55・9%
▼森林環境保全整備林道事業(桑原河内線)(鳥取市)=林道開設1万6300メートル、幅員4・0メートル=事業期間1983~2038年度、全体事業費56億2100万円、進ちょく78・4%
▼森林環境保全整備林道事業(行者山線)(南部町)=林道開設2万0500メートル、幅員4・0~5・0メートル=事業期間1991~2032年度、全体事業費58億6300万円、進ちょく86・6%
諮問5事業をすべて
妥当と認めた評価委
公共事業費の確保を要望/中国地整・舛田部長と懇談/県建設業協会
県建設業協会(影井一清会長)は28日、鳥取市内で国交省中国地方整備局の舛田直樹企画部長らと懇談し、公共事業費の十分な確保や発注の平準化を要望した。
建協側は「地域の建設業が社会的使命を果たすためには、安定した経営基盤が不可欠」と指摘し、5年~10年先を見据え公共事業費の継続的な確保を求めた。
これに対し舛田企画部長らは、国交省関係予算の概算要求は前年比1・38倍とし、さらに別枠で国土強靱化予算を「事項要求」として上げていると説明。年末の予算案決定時に予算概要が明らかになる見通しを示した。
また、建協は成績評定が高い県工事実績を直轄工事実績と同等に取り扱わないよう要求。中国地整は補正を措置しているが、よく研究してみたいと答えた。
このほか、建協は改正建設業法にのっとり価格転嫁するためには、調査基準価格の引き上げが必要と主張。中国地整は、調査基準価格は粗雑工事につながらないように設定しているものと説明し、理解を求めた。
懇談には建協の影井会長ほか地区会長、中国地整は舛田企画部長をはじめ県内事務所長、県土整備部の下場和重道路局長ら20人が臨んだ。