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コラム

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みちしるべ

2019-03-14
「ポツンと一軒家」というテレビ番組が高視聴率を取り、好調だという▼この番組は衛星写真を使って、日本全国の山の奥、人里離れたところにある一軒家を訪ねて行き、どんな人が、どんな理由で一軒家に暮らしているのかを紹介する。人生模様や、どことなく隠れ家のような古きよき時代の郷愁を感じるのは私だけだろうか▼一軒家を訪ねて行く道のりも、軽自動車が一台やっと通れるような、狭く、断崖絶壁が迫る悪路。近年の災害の被害跡、猪、鹿などによる野性動物被害と山が荒れている様子が伝わる▼大半の住人は高齢者で、この人達がいなくなった後は、ここも消えて行くのかと思うと少し切ない。後継者があれば良いのだが…。どことなく建設業の抱える跡継ぎ、技術継承などの問題を連想してしまった。(鵲)
 

みちしるべ

2019-03-13
あと2週間ほどで3月も終わり。年度末入札は真っ盛りで工事の場合、来週前半までが今年度分。最終週には年間道路維持工事が入札される▼今年度は7月豪雨と台風24号被害があり、平成で最大の災害になった。特に八頭県土管内は県下の件数で半数、金額で8割方を占めた。災害復旧費80億円は事務所の年間予算の2倍に相当。つまり今年度の予算規模は例年の3倍に達した▼一部に入札不調があったものの、町村災害を含めて考えると、いまの業者数でよく消化できたものと感心する。ただし実際の現場復旧はこれからが本番▼近年の災害は頻発化、かつ激甚化していると指摘される。今回の災害で人手と資材不足の課題が浮かび上がった。次に備えて、発災直後の対応から態勢まで、きっちりと検証しておくべき点は多い。(鷲)

みちしるべ

2019-03-12
「最初からゴマカすことしか頭にないのだ」、「共犯関係の安倍内閣では解決不可能」。厚労省の統計不正問題で、こうこきおろされる安倍内閣。10日夕方の民放番組でも野党などから厳しく指弾されていた▼事あるごとに「寄り添う」を連発する総理。だが、真剣さは感じられない。言葉が軽いのだ。「森友問題」、「加計問題」も同様。好景気も新記録のように吹聴されるが、メッキが剥げつつある▼日本語を大事にしたのは、先頃、96歳で他界した、日本文学研究者のドナルド・キーン氏(米国生まれ)。東日本大震災後、日本国籍を取得した親日家。原稿を文語調で書いた▼支援金も新設。建設業には明るい未来があると、国は言う。「キャッチコピー」はいい。が、中身が「統計不正問題」と類似では困る。(雉)

みちしるべ

2019-03-11
「相乗りタクシー」の実用化に向けて政府が本格的に動き出した。見知らぬ人と乗車し、割り勘して料金を支払うため、一人で利用するより安くなる。需要は高そうだ▼鳥取県には山間集落を抱える自治体が多く、住民の移動手段の確保にも役立つビジネスモデルといえる。また、過疎地に限っては自家用車で商売ができるよう法令整備を進めており、間違いなく鳥取は適用されるだろう▼「ドライバー不足」が叫ばれるタクシー業界としても大歓迎かと思いきや、「利用者一人当たりの利益率が下がる」などの反対意見が挙がっている▼しかし、そもそも人手不足では利用者のニーズに応えられない。ただ「変化」を否定しているだけでは見限られる。受け入れ、備えなければ淘汰されてしまうだろう。(鶴)

みちしるべ

2019-03-08
有給休暇が年間30日以上、1日8時間以上は働かない、昼休みは2時間…。これがイタリアの仕事事情。いま日本で進められている働き方改革をさらに上回る▼ただし、単に休みが多いわけではない。イタリアの働き方について言えるのは生産性の向上。休暇を取るだけでなく、その分効率も上げなければならない、という考えだ▼しかし、イタリアは失業率も高く財政難が続いており、問題がないわけではない▼このような働き方がそのまま国の状況を反映しているかどうかは不明。歴史や文化などの背景が違うため、単純に欧州の制度をそのまま取り入れることはできないが、生産性の向上は必ず必要になる。日本は働き方など一つずつできることを積み上げ、こうした国々を参考にしていくことも大事なのでは。(雛)
 

みちしるべ

2019-03-07
2018年度RCCM資格試験の合格者が1日に建設コンサルタンツ協会から発表された。建設業界の29種類の枠において土木工事関連の専門技術者で、管理技術者・照査技術者になるための資格▼要求されるのは設計業務の特質を理解し円滑・適正に業務を進めるための一般共通の技術管理能力とその専門分野の技術力。民間資格だが、即戦力となることから業界内では国家資格である技術士補よりはステイタスが高い▼昨年の資格試験は、11月に全国10会場で行われた。折しもコンサル業界、とりわけ西日本では7月豪雨、台風24号の災害対応の真っ最中だった▼出願はしたものの試験は欠席という技術者、試験に向け社内で受験対策の勉強会をしてきたところもあったと聞く。是非、捲土重来を。(鴉)

みちしるべ

2019-03-06
あの東日本大震災からもうすぐ8年。その後も、熊本、鳥取県中部。昨年は大阪府、北海道でも規模の大きい地震が発生した。そして、過去に例がないほどの水害も全国各地で毎年発生し続けている▼多くの被災地では、復旧や復興がいまだに進んでいない。災害によって住み慣れた故郷を離れ、他の地域に移った人も大勢いる。「災いは忘れた頃に」という言葉はもう使えない▼以前と違い、災害に対する備えは必要だと考える人は増えたが、個人も行政も万全という言葉はない。何よりも、この地域はだいじょうぶだと思い込んでいることが被害を増大させる▼道路構造物や防災施設などを対象にした長寿命化のための整備も進むが、予算も人も足りない。インフラが充実していない地域の疲弊が進む。(鷺)
 

みちしるべ

2019-03-05
県下各自治体の2019年度予算案が次々と明らかになっている。鳥取市1001億円、米子市690億円、倉吉市280億円、境港市173億円など。いずれの自治体も前年度を上回る予算が計上されており、近年、多発・頻発する自然災害危機に対応するための基盤整備事業予算が増額傾向にある▼道路等の公共土木アクセスは、人口減少や過疎化に歯止めのかからない地方都市や集落にあっても、安心して暮らせる住み良い環境を確保するうえで欠かせない重要な基礎インフラだ。特に災害緊急時には避難、救援、物資物流などに対する役割を持ち、その重要度は大きい▼今、国土強靭化緊急対策が国策として集中的に推進されている。事業投資に躊躇することなく、頑丈で頑強な土木インフラ整備の推進を願う。(雀)

みちしるべ

2019-03-04
最近、国土交通省などが発注する工事で、ICTの活用を提案するものをよく目にするようになった。理由はもちろん、人手不足対策と安全性の向上だ▼ICTの施工現場では、3D画像の現況図面と合わせながら、自動制御の建機で路体盛り土や法面整形などが進められていく。機械に設定さえすれば、丁張りや検測などをしなくても、高精度な施工が可能となっているから、とても便利だ▼データ打ち込みの煩雑性や費用などの問題があり、まだまだ浸透している状態とは言えないが、業界ではBIM/CIMの勉強会を開くなど、徐々にそれに触れる機会が多くなっている▼発売当初に普及することはないと思われていたスマホは、今や当たり前のものとなってきた。ICTが普及するのもそう遠くないはずだ。(鴨)

みちしるべ

2019-03-01
今日から3月。今から8年前の2011年3月11日に発生した東日本大震災のライブ残像は、遠い地に居てもまだまだ脳裏から消えない▼瞬く間に地獄絵図に変わった被災地。その後の復興状況は、震災から8年経ってもまだまだ道半ばだ。このほど公表された新しい公共工事設計労務単価からも見て取れる▼例えば、主要12職種のうち、「型わく工」は、東北の宮城県が3万2300円なのに対して、鳥取県は2万0700円と1万円以上の単価の格差がある。程度の差こそあれ、鉄筋工、大工、左官もそうだ▼オリンピック特需で、もともと単価の高い東京都との開きも大きい。大幅な需要の増加に対して人手(技能者)がまったく足りないためだが、「それにしても」の思いは拭いきれない。(鶯)
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