コラム
みちしるべ
2019-04-16
新年度が始まり、半月が過ぎた。県内の建設業も新年度格付と各社の施工能力点数、生産指標額が決まり、新年度の受注戦略を立てることができるようになった▼現在の制度になって、建設業者はそれ以前よりも受注の見通しを立てやすくなった。しかしそれは他社も同じこと。逆に言えば大きく受注を伸ばすことが難しい制度になっているとも言える▼若手の育成を今後の大きな課題と捉えている業者は多い。しかし人材を増やせば、それに伴う仕事を確保しなければならないため、若手の雇用に二の足を踏むケースも少なくはないだろう▼新たに建設業に入ってくる若者が活躍する場をどのように作っていくか。建設業を持続可能な作業とするためには、行政と業界にとって避けては通れない課題だろう。(鷹)
みちしるべ
2019-04-15
もうすぐゴールデンウイーク。今年は5月1日が「即位の日」で休日になり、10連休となる。国内外に出かけられる人も多いと思う▼建設業界の各社にも新入社員があったことと思う。本紙ではニューフェイスとして紹介しているが、残念ながら建設業界に入職する数が決して多いとは言えない。建設業界の人手不足に危機感をつのらせている人は多い▼この時期は建設業界の総会シーズンでもある。会員や従業員の高齢化が進んでいることに警鈴を鳴らす。長年培った知識、技術、経験を次世代につないでいく必要がある。今年入ってきた若者たちは次代を担う大切な宝として育てていかなければならない▼新陳代謝がなければ将来がない。働き方改革、外国人労働者の受け入れ、AIなど新たな課題も加わってくる。(鵲)
みちしるべ
2019-04-12
適切な工期の設定は名ばかりか。年度末入札でも、ある町では平気で工期を3月末にしてあったし、繰り越し措置を前もって取っておく基本的なルールが徹底されていない▼鳥取西道路の供用が来月12日に正式に決まった。同18日に開かれる「全国みどりの愛護のつどい」に間に合わせた格好だ。もともと西道路は18年内に開通するはずだった。それが重山地区の法面変位に次いで、松原地区でも異常がみつかり、今年夏までに開通予定が延びていた▼早すぎる開通時期の発表が現場に無理なプレッシャーを与えていないか。仮に政治レベルで開通時期を決めていたとしたら、しわ寄せは施工者に行き着く▼工事中や開通後の安全が第一で、「早く早く」は禁物。今でも現場で苦労している人たちから悲鳴が聞こえてきそうだ。(鷲)
みちしるべ
2019-04-11
「地衣類(ちいるい)」。藻類と共生して「地衣体」という特殊な体を作る菌類。一滴も水がなくても岩山などに繁茂する。大気汚染に敏感で大気汚染指標として調査に利用されることも▼一方、ツツジや梅の小枝に密集すると小枝を枯らす。このため庭木への着生は嫌われる。自然界には動物の死骸のみを食す「死(し)出虫(でむし)」という怖い昆虫も▼新年度に入り、各分野で様々なスタートが切られた。建設業界でも「働き方改革関連」などの新制度。これらも含め国は、メリット面を強調する。が、新札発行の発表も新元号発表に合わせ時期が妙に符号▼ただし5月から各食品を値上げすると、各社発表済み。庶民の台所を直撃する「暗雲」はすぐそこまで。オレオレ詐欺は死出虫。この虫の絶滅も必要。(雉)
みちしるべ
2019-04-10
新年度が始まり、今まで顔なじみだった取材先の担当者が異動などによって、新しい担当者と名刺交換をする場面が増える▼名刺には、91㍉×55㍉という限られた寸法の中に多くの情報が詰まっている。官公庁の名刺には、その地域の観光名所の風景を紹介する写真が入っていたり、業者の名刺には、会社イチ押しの商品の名前などが入っているものなど様々だ▼業者の中には、あえて特徴的な名刺を作り、会社名や名前を印象付ける業者もある。たった一枚の名刺でも、営業の武器と成り得る▼名刺のファイルをめくりながら過去の出来事を回想するも、前述の名刺を使った営業促進への活用策を忘れてはならない。過去に名刺交換をした方々がいずれ昇進し、決定権者になっていることを願い取材に励みたいものだ。(雛)
みちしるべ
2019-04-09
桜の下を潜って、令和の時代の「ものづくり」を担う新入社員が業界各社に入社して一週間が過ぎた。新入社員は目下、社会人として必要な最低限のスキルを習得するべく研修の真っ只中▼企業理念や事業目的など会社への理解を深め、それを実現するために一社員として何をするべきか、自分の役割を認識し目標を設定することは大事。だが、我が身を振り返っても覚えがない▼県西部のある業者では、他企業の新入社員と一緒に陸上自衛隊米子駐屯地での隊内生活体験を組んでいる。この2泊3日は午前6時起床、午後9時消灯で、日程表には基本教練や13㌔行進訓練もある▼規律心や協調性、仲間を思いやる心を学び、仕事ぶりや姿勢で周りにそれを伝え、率先垂範の精神で会社を引っ張っていける人材に育ってほしい。(鴉)
みちしるべ
2019-04-08
今年の4月は雪が舞う寒さの中で始まったが、一週間が過ぎると気温の変動も少しは落ち着いた。穏やかな春らしい毎日が長く続けばと願う▼新品のスーツや制服。初心者マークを取り付けた車を多く見かける季節になった。新入社員の多くは、寒い中での入社式を終え、職場の内外で研修に入っている。きっと、先週末の休日は、疲れ果てて寝ていたのでは、と自分の若いころを振り返る▼第一線の建設現場にも新人が入った。まだ、作業着もヘルメットも似合わないが、一年も過ぎればしっかりとした着こなしを見せる▼土木を志す若者が減っている。人材の確保に苦労しているのは、何も民間だけの話だけではなく、県などの行政も深刻だ。この仕事に夢と誇りを持たせたいと、先輩方が懸命に支えるが。(鷺)
みちしるべ
2019-04-05
新元号「令和」が5月1日からスタートし新時代が始まる。どう切り拓かれていくのか期待感が膨む▼「昭和」から「平成」への改元は昭和64年1月8日。その年の4月に竹下政権のもと、消費税3%がスタートした。続いて平成9年4月に5%(橋本政権)、平成26年4月に8%(安倍政権)。その後は2度延期され、今年10月には10%実施がいまのところ予定されている。平成時代は消費増税の時代だった▼一方で、世界各地で大きな自然災害が多発した時代だった。日本でも地震、噴火、津波、台風、豪雨、豪雪等が毎年ように続き、大きな被害と恐怖を与えた▼幕開けする「令和」時代は、経済も環境も世情も、安定した穏やかな時代であることを願う。同時に特有の元号を持つ日本文化を、より大切にしていきたい。(雀)
みちしるべ
2019-04-04
今年度に中部管内で発生する建設発生土は約21万立方㍍と予測されており、前年度と比較すると、今年は大幅増となる見込みだ▼しかし、多くは現場内や国道313号の整備工事などで流用されるため、実質的な残土はそれほど多くない。その上、今秋頃には第2帽子取事業所の開設が予定されているため、中部地区における残土問題はそれほど深刻ではない▼切迫しているのは西部地区。現在は公的処分場が存在せず、伯耆町二部(受入率74%)と米子市泉(同80%)の二つの民間処分場があるのみ▼数年前から満杯となることが危惧されていたが、土砂を受け入れる層を増やすなどして、受け入れ容量を増やす工夫をしている。県建設技術センターも、適地の選定を進めているが、早期開設は難しそうだ。(鴨)
みちしるべ
2019-04-03
県発注のJアラート(全国瞬時警報システム)の入札が工事から役務に変わった時、驚きを禁じ得なかった。また、近年、工事から役務や物品の入札に変わるケースも見られる▼役務や物品になると工事書類がいらない、技術者の配置要件もない。受発注者双方にメリットはあるが、最低制限価格がない底なし入札となるため、落札率が7割を切る、原価ギリギリの入札も珍しくない▼工事と役務及び物品で、受注額に2割以上も差が出るのはいかがなものか。つい最近、需要がますます多くなる電気通信工事業の関係者が疑問を投げかけた▼「緊急の作業も多く、(手当が割り増しの)夜間、土日出勤も当たり前」というこの業界。働き方改革で、今後、職員のやりくりが大変になるだけに、確かに考えさせられる問題だ。(鶯)