コラム
みちしるべ
2021-02-25
厚労省の労働力調査によると、2020年12月末時点での建設業就業者数は492万人。10年同時期は504万人だったため、増減しながらではあるが10年で10万人以上の就業者が減少している▼要因のひとつにはベテラン技能者の退職が挙げられるのだろうが、問題は若者の建設業離れだろう。業界もイメージアップなどで変革を試みているが、どうか―▼以前土木分野で働く、ある若手技術者が「仕事で戸建ての駐車場舗装をしたところ、施主様から感謝してもらえて嬉しかった」と話していた。仕事のやりがいに繋がる話だが、逆を言えば、土木は人から感謝して貰う機会が少ないのだ▼言うまでもなく、土木は人々の生活を守るやりがいのある大切な仕事。早く建設業の仕事が世間に認知されることを願う。(鴨)
みちしるべ
2021-02-24
鳥取市は、工事書類の簡素化を検討している。技士会との交流会で意見交換したほか、業者から聞き取りして意見を集約している。年度内に案をまとめ、4月1日以降に契約する工事から適用する考えだ▼現状、鳥取市の工事で作成する書類は約70項目ある。このうち提出書類を20程度まで減らす。維持修繕工事や小規模な工事ではさらに簡素化する▼求められる書類の数は国交省が最も少なく、次いで県、鳥取市が最も多い。今回は県並みかそれ以上の簡素化を目指している。いくつかの項目は提示書類とし、提出までは求めない▼工事の品質を確保することは当然だが、技術者が効率的に業務をこなすことも重要なテーマだ。技術者が働きやすい環境を整備し、若者が希望を持って入ってくる業界にしていかなければならない。(鷹)
みちしるべ
2021-02-22
月日が経つのは早いもので2月も終盤に差し掛かり、補正配分を受けた各発注機関が賑やかになった。「少しでも条件のよい現場はないか」「上位業者の動きはどうか」―残工事を巡り、業者間で横にらみしながらの応札が続く▼工事公告は今がピークだが、開札は3月に入ってから。公告日よりも、むしろ開札日が気になるところ。日程は詰まってきた▼県工事の場合だと、「受注額」に今年度分が加算されるのは3月18日の開札分(落札決定は同19日)まで。土日を挟んで同22日以降の落札は新年度の受注に反映される▼入札不調はなにも応札者がない場合だけに限らない。発注元は「違算」に対してもヒヤヒヤしている。年度末の入札やり直しは応札する側にとって大きな打撃。すでに散見されるが、波紋が広がるのは必至。精査を。(鷲)
みちしるべ
2021-02-19
新型コロナウイルス感染症が世間を襲う中、今週県内も真冬並みの寒気に襲われた。昨日には、山陰道鳥取西道路が朝の通勤ラッシュ中の交通事故で通行止めとなり、交通機関がマヒしてしまった▼今年は全国的にも「豪雪」の一言に尽きるが、うとまれる雪ばかりではない。粉雪、牡丹雪、泡雪など種類も様々で、真っ白い雪は幻想的で、雪のある景色はロマンティックでもある▼そして、大雪の時、何よりも頼りになるのが建設業者であるのは言うまでもない。この状況での除雪車はわれらにとってまさに「麒麟」。今年も何度となく助けられており、地元や地域のためにという「青天を衝く」かのように高い志を持って、昼夜を問わず除雪をしてくれる業者の方々に心を込めて感謝とエールの拍手を送りたい。(雛)
みちしるべ
2021-02-18
14日夜に東北で発生した、震度6強の大地震。報を受けてすぐ頭に浮かんだのは「津波」の二文字だった。10年前に、その脅威を私達の記憶に深く刻み付けた津波被害。調査委の見解によれば、今回は「ぎりぎり」小さな波で済んだ、との事だ▼「防災・減災・国土強靭化」―口にするのは簡単だが、その言葉が担う重責は途方もなく甚大だ。津波の警戒もまた、その一つ▼国交省は5カ年加速化対策の一環として、全国の高速道路や高台655カ所を新たに緊急避難所として整備する方針を定めた。「山へ逃げろ」という古老の教えでは無いが。震災時に高所を確保することがいかに重要であるかは今や自明のこと。既存インフラを維持保全し、新しい役割を接ぎ足して活用する。こうした動きは、今後ますます希求されるだろう。(梟)
みちしるべ
2021-02-17
先週末、福島、宮城両県で最大震度6強の地震が発生した。東日本大震災からもうすぐ10年という時期での余震だから、いかにあの地震の威力がすごかったかが伺える▼「天災は忘れた頃にやってくる」という戒めはまさに的を射ている。将来発生するかもしれない災害に対して備えておく必要がある▼河川や治山砂防の工事は洪水対策や土砂災害対策に繋がるし、古い建物を耐震化するのも有効だ。道路改良も有事の緊急車両の通行をスムーズにしてくれる▼ただ、公共事業はいつでも順調に進むとは限らない。中でも用地交渉で話がまとまらず、事業自体がなくなることもしばしば。その土地に愛着があるからという気持ちも分かる。しかし、将来起こる災害に備えないと大切なものが多く失われることにも繋がりかねない。(隼)
みちしるべ
2021-02-16
2月も中旬になり春らしさを感じる日もあるが、やはり朝晩は冷える。まだ雪が積もる日もあると思うから、少しも油断はできない▼この時期になると、業界も発注者も多忙な毎日が続く。鳥取市内にある県の東部庁舎にも現場を担当する業界の関係者が多く出入りする季節になったが、例年と違うのは誰もがマスク着用。このスタイルにも慣れた▼完成検査はピークを迎えるし、この庁舎に入る発注機関は多くの補正予算も抱える。若い技術職員も多くて頼もしいが、やはり、一人が担当する業務はさらに増えるから気が休まらない▼業界も発注者もあわただしい毎日が続き、体調を崩してはいないか。多忙なのは承知だが、健康管理には気を付けたい。この季節は毎日駆け足で過ぎる、と焦る人も多い。(鷺)
みちしるべ
2021-02-15
県が主催する「再エネ100宣言」セミナーが今週末、南部町を舞台にウェブ配信される。脱炭素化は今や待ったなし。県は中小企業らを中心に、同宣言で再エネの導入を強力に推進している▼国際的な持続可能性のゴールは大きく4つ。SDGsを筆頭に、パリ協定、プラネタリー・バウンダリー、デカップリング。こうした背景から注目を集めているのが、サーキュラーエコノミーと呼ばれる施策の推進だ。要は廃棄物・無駄・汚染ゼロの経済システムだが、移行が実現した場合、自動的に4つのゴールの大半を満たす▼旗振り役は英エレン・マッカーサー財団。企業の集合が熱心に取り組むのは、明確な経済合理性があるからだ▼主役はまさに企業。そう理解し賛同する気運が地方に生まれている現状は、歓迎すべきことだろう。(鵯)
みちしるべ
2021-02-12
雨が降り湿度が高くなれば、ある生き物の童謡が頭に浮かんでくる。「でんでんむしむしかたつむり~」この童謡を一度は聞いたことがある人は多いだろう。そもそも「でんでん」とは何んだろうか。これは、子供達が殻の中からなかなか出てこない頭に対して「出よ出よ」との呼びかけを言い換えたものだとか▼この間、とあるクイズ番組を見ていたとき「世界で一番歯が多い生き物は?」と問いが出た。答えはカタツムリ。「・・・」これが最初の感想だった。解説によると1万2000本の歯を持つ。コンクリートを這っているのはコンクリートのカルシウムを食べているらしい▼ゼロ県債が本格的に発注されるこの時期。応札者なしの不落札にならないように担当課の職員も心の中で「出よ出よ」と祈ってるのかもしれない(鴎)
みちしるべ
2021-02-10
生涯活躍のまちを掲げ、老若男女が活躍できるよう、様々な施策に取り組む湯梨浜町。お試し住宅の整備や東郷湖ほとりに町営住宅や高齢者住宅、福祉施設などを総合的に整備する跡地活用など、様々な取り組みを推進している▼そのかいもあってか、同町の人口の社会増減は、ここ数年堅調に推移してきており、2018年の合計特殊出生率は1・84(全国は1・42)と高かった。今後もSNSを活用し、町とつながりのある人を「ゆりはまフェロー」として関係人口を増やしていく計画で、来町する人数を増やし、持続可能な関係人口の確立を目指す▼同町の宮脇正道町長も「必要なことに手を打ち、魅力と活気にあふれるまちづくりを進めていきたい」と意気込む。これからも様々な仕掛けを期待したい。(鴨)