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コラム

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みちしるべ

2021-02-09
 道路整備には利便性を高める効果だけでなく、防災面を強化したり、景観を良くする効果もある。鳥取市では2015年度から進められていた久松地区の街なみ環境整備事業が完了した▼車道部分は土をイメージさせる茶色の舗装を整備したほか、電線の地中化により、城跡やお堀端の特性を活かした街並みが整備された。魅力的な景観が生み出されたことで、観光振興による地域の活性化、地域文化の伝承も期待される▼地域にはまだ広く知られていない観光資源も多い。どのように掘り起こし、PRしていくかが地方活性化の一つのポイントだ。鳥取市久松地区の観光資源と言えば、鳥取城跡、久松公園、仁風閣、県立博物館がある。今回の道路整備はそれらを引き立てる大きな役目を果たすだろう。(鷹)

みちしるべ

2021-02-08
 国の第3次補正で県内に配分された国交省関係の公共事業費は190億円規模。年度末にかけての発注に、国交省の県内事務所が入札不調にやきもきしている、と聞く▼というのも、せっかく付けた補正予算が不落となれば「供給過剰の公共事業」と財務から受け取られかねない▼県発注の補正予算でも「国土強靭化5カ年加速化対策」を背景に、道路メンテナンスやため池など調査ものも多く盛られ、工事の方も地域高規格道路をはじめ河床掘削などが前倒しされる▼「隣の芝生は」―県東部では鳥取管内の補正で岩美道路に20億円など、年度末にかけて数多くの大型工事が控える。雲泥の差は八頭管内。土木A級の工事はまばらに終わりそうで、濃淡がくっきり。青く見えるのは、雪雲の隙から垣間見える冬空だけに限らない。(鷲)

みちしるべ

2021-02-04
 フルハーネス型墜落制止用器具の着用を義務化改正労働安全衛生法の施行から2年が経過し、2022年からは従来規格品の販売、着用が禁止となり本格的な運用が開始される▼改正が決まってから、各団体で安全帯の規格についての講習が行われている。その中で聞かれるのが、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)だ。どれも命を守る大事な取り組みだが、惰性で取り組んでは意味がない。「慣れ」と「惰性」の違いは意識の有無にあるのではないだろうか。▼これから年度末にかけて、多くの工事が完成する。緊張と責任から心身ともに疲弊してくると危険予知が働きにくくなってしまう。だからこそ、安全に対して意識を持つことに普段から慣れてほしい。そして、全ての工事が無事故で完成することを願う。(雛)

みちしるべ

2021-02-03
 実に124年ぶりとなる「2月2日の節分」が明け、暦の上では今日から春。未だに降雪・寒さ対策は怠れないが、これから少しずつでも暖かくなっていくことを期待したい▼温暖な気候になると、今は海に宿るアユ達も故郷の清流を目指し遡上してくる。先日、そうした魚達の遡上を助ける簡易魚道の施工見学会が日野川であった。河川生物の専門家による指導は、魚を守るための熱意や拘りを感じさせるものであり、大変勉強になった▼SDGsの理念にも掲げられているように、環境に配慮した開発は今後ますます希求されてゆくだろう。その際には、保全対象とする生物の生態を熟知し、生物目線で考えることが肝要だ。真に効果的な開発を果たすためには、多分野が手を取り合い、多様な視点を共有することが求められる。(梟)

みちしるべ

2021-02-02
 道路構造物や下水道、港湾、農業用施設、建築物などの構造物を対象にした長寿命化のための補修工事が全国各地で活発に進められている▼一昔前は、問題が発生してから対応する補修や改築だったが、危険な状態になる前に整備する方向に転換。今や、維持系が公共事業の主流に駆け上っている▼近年は、国交省だけではなく、農水省も力が入る。決壊の恐れがある農業用ため池の改修にも力が入る。古い施設が圧倒的に多く、場合によっては深刻な問題が隠れていることもある。整備は待ったなしだ、と自治体の関係者がいう▼考え抜いたハード面の対策。そして、防災教育などのソフト対策。土木の知恵をさらに絞り出すことで、この地に暮らす人たちに安心を届けることがもっとあるのではと思う。(鷺)

みちしるべ

2021-02-01
「Amazon Go」の登場から早4年。「テクノロジーを駆使した無人店舗」のような括られ方で注目を集めたが、実は店内で大勢の人が働いている▼無人化したのは主にレジと決済手続き。そこに割いていた人員を接客に回し、顧客体験の向上を図る。サービス向上の余白がない代金の授受を切り捨てた、攻めのIT投資と言える▼逆に効率化だけに主眼を置くと、目的と手段が逆転しやすい。「DX」の本質は「X」にある。紙の電子化一つとっても、目指すゴールがなければならない▼いよいよ具体化した3次補正予算。5カ年15兆規模の公共投資も待ち受ける中、国土強靭化と並び立つ柱・DXを避けて通れないのが建設業界だ。重要な変革は何なのか、業務の棚卸しをする必要がある。(鵯)

みちしるべ

2021-01-29
 県立美術館建設に伴う基本設計が昨年末までに完了し、事業者が県に設計図書を提出した。2025年春の開館に向け、来年1月の着工を目指す▼昨年、年明け早々に行われた県民参画型の公開プレゼンでは、3グループが各々のコンセプトを提案。その結果、大和リースグループがPFI事業者に選定された。プレゼンを観覧した建築関係者複数人に話を聞くと、やはり大和リースGの案がデザインや動線の配置など優れている点が多いと口を揃える▼美術館建設地南側には大御堂廃寺跡があり、市が史跡を整備することで、一体化した共有空間づくりを目指す▼コンセプト、立地と条件が揃った県立美術館。新たな目玉施設として県内外から多くの人を呼び込み、地域経済が活性化する拠点となることに期待したい。(鴨)

みちしるべ

2021-01-28
 公共工事に携わる建設業者にとって、入札で工事を落札することは最も重要なことだ。予定価格が事後公表となっている工事では、積算の精度を高めることが求められる▼入札後に公表される予定価格が自社の積算と異なっていれば、どこが違うか気になるもの。契約後に金入り設計書を公表する発注機関も多いが、落札決定に納得がいかない場合は、入札後に異議申し立てを行う場合もある▼単価がわからなくて積算できないという声もよく聞く。見積もりで設定する単価などは、公表して不透明な要素を取り除き、積算しやすい環境を整備していくことも必要だろう▼地域の建設業界の発展のためには、地元建設業者が健全に競争し、活躍できる環境を整えることが重要。それは積算にもあてはまるだろう。(鷹)

みちしるべ

2021-01-27
 年明けにバタバタと国補正が組まれるサイクルは、いつから始まったことか。公共事業が減らされた民主党政権下でもこういった補正はあった。いくら忙しくしていても、仕事はあるに越したことはない▼防災・減災でやらなければならない事業は待ったなしだし、年度末にかけての発注は、春先の発注端境期にあって仕事量の平準化にもつながる。一方で補正は水物であり、規模もさまざま。景気に左右されるゆえんからあてにはできない▼本来、必要な事業はきっちりと当初予算に盛るのが筋であろう。会社の経営を継続していくためには先の見通しがきかないと、人材や資機材への投資は思い切ってできない▼「防災・減災、国土強靭化対策」にしても5カ年と言わず、せめて10年先の計画があれば、業界も変わってくる。(鷲)

みちしるべ

2021-01-26
 紙ほど有用性に優れた文明の利器があっただろうか。本、書類、機密文書、果たし状・・・。文明史上、あらゆる場面で紙は人間社会の営みを支えてきた。そんな存在がデジタルに取って代わられる危機に▼電子媒体のニーズは確かに強力。弊紙も「電子版」を既に展開中で、日々の入札予定や結果、記事などをインターネット環境があればいつでも、どこでも閲覧できる。新型コロナウイルス感染症対策のリモートワーク普及で電子媒体のニーズがより高まっている。方法次第で専門紙の拡大余地は十分ある▼しかし、読みやすさから紙に回帰する動きも一部で見られる。結局、情報の質が良ければ媒体形式は問わない。言い換えれば、質をおろそかにすれば双方の読者を失う。だからこそ、大切なのは紙もウェブも。(雛)
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