コラム
みちしるべ
2017-02-27
官民で立ち上げた「日野郡除雪専門検討会」は第1回目の会合ということで、出席者の顔合わせや検討会の方向性を再確認した。同会は道路維持WGに属する組織として、行政だけでなく除雪を請け負う業者や個人、日野建設業協会をメンバーに加え、除雪の課題を抽出し実効性のある対応を検討していく▼これまで県と3町は減少していく除雪オペレータの人材及び育成を確保するため資格取得支援や技能向上研修を実施し一定の成果を出した。検討会では、業者から出された意見に対し、どこまで行政が応えるのか注目したい。▼住民の安心・安全を守り、持続可能な除雪体制を構築するためにも官民が一体となり、受託契約の在り方や業務内容の検討など諸問題の改善に期待がかかる。
みちしるべ
2017-02-26
17日間の熱戦が繰り広げられた平昌五輪が昨日閉会した。中でも、日本のメダルラッシュには多くの国民が熱狂。2年後に控えた東京五輪への期待も自ずと高まる結果となった▼東京五輪では、新たにスポーツクライミングなど5競技18種目が追加種目として採用。それに先駆け、今年11月にはスポーツクライミングのアジア選手権大会が倉吉市で開催される▼その会場となる予定の倉吉体育文化会館では、クライミング施設の設置工事が急ピッチで進む。今回の整備でスポーツクライミング3種目(スピード・リード・ボルダリング)の設備全てが揃うことになるが、これは全国初▼日本代表選手を毎年のように輩出する鳥取県。育成環境を整えて、鳥取から世界へ羽ばたけるか。
みちしるべ
2017-02-23
「お客様は神様です」。歌手の故三波春夫さんじゃないけど、「やはりそうなんだよ」。先日、東部地区のある設計事務所の関係者がこうつぶやいた▼県もAランクの建築設計の入札に総合評価方式を導入するが、まだ実施例がないため、どうもまだ「どうなるか」イメージが湧かないようだ▼3月にも入札するビジターセンターの西側拠点整備(鳥取市浜坂)の設計がどうも適用第一号になりそうだが、工事関係の状況を見れば、ぼんやりと結論は見える▼関係者のつぶやきは、総合評価のことではない。最近、あまり耳にしないコンペやプロポのこと。ある一冊の本を読んで、目から鱗が落ちたという。これまで独りよがりで、お客様目線が失われていたと自省する。顧客満足。そうすれば女神がほほ笑むか。
みちしるべ
2017-02-22
県内各自治体の首長、議員選挙が続く。首長の無投票は珍しくないが、境港市議員の無投票は、ついに市部でも、と話題になった。候補者が政策を訴え、住民が意思表示する機会が奪われると懸念する声がある▼理念はともかく現実を見れば、人口減少が続く地方で候補者不足となるのは自然な流れ。活気がない、と嘆いても仕方がない。地域間対立や利権争いの投票で、しこりが残るくらいなら無い方がいい▼議員定数削減を求める声もよく聞く。財政状況や、ある種の議員を見ると、削減したくなる気持ちも分かる。しかし、それではさらに風通しが悪くなり少数意見も反映されない▼人口減少が進めば、ネットもあるし、直接民主制も現実味を増す。従来の枠組を抜けた試みができないか。
みちしるべ
2017-02-21
20日に予定されていた鳥取市の2件の入札はともに参加者が1社もなく中止となった。土木D級工事のため指名業者数は15社だったが、全社が辞退または欠席した▼鳥取市の入札で中止になるケースは数年前から散見されているが、今年は特に目立つようになっている。昨年12月は4件、1月は9件、2月は20日までに8件が入札中止になっている▼12月以降中止となった21件の内17件が土木D級向け工事だ。災害復旧工事を中心に今年度はまだ土木D級向け工事の発注を控えているが、どうなるかはおよそ見当がつく▼市民の安全・安心を守るためにも災害復旧工事を円滑に進めることは、行政の大切な使命であり、建設業の役割だ。一刻も早く解決策を望みたい。
みちしるべ
2017-02-20
今年は明治維新150年だそうだ。NHKの大河ドラマは維新の立役者の一人の西郷隆盛を主人公とした「西郷どん」である▼維新の先導役だった薩・長・土・肥の各藩の県を中心にイベントが計画されている。観光客を呼び込む仕掛けとも思えるが、これを機会に幕末、維新を勉強するのも良いかもしれない▼歴史学者の磯田道史氏は自著の中で戦国時代の信長・秀吉・家康と幕末長州の松陰・晋作・有朋(山県)とを比較し、革命の三段階として果たした役割の類似性を挙げており、面白かった▼さて、役割といえば、世の中がどう変わろうが、建設業は地域の基幹産業である。今冬の凍雪害に対しても対応したのは建設業界であり、「地域のために」という思いがしみじみと伝わってくる。
みちしるべ
2017-02-19
県の18年度当初予算案は前年度比3%減の3386億円が固まった。土木公共事業費は同じく3・9%減の415億円。財政健全化目標の達成に向けてかなり絞り込まれた▼国予算の枠組みで、公共事業費は全体のわずか6%に過ぎない。一方で少子高齢化によって毎年、増加の一途をたどるのが社会保障費。公共事業費の5倍を上回る▼よく考えてみれば、身近な道路整備や河川改修により住民の安全を守る公共事業は、=(イコール)生活の安心を守る社会保障と同じに捉えられる。一体で財源を運用することはできないものか▼社会基盤の整備は、福祉サービスどころか経済・産業を含めて広く社会活動を下支えしている。ここは視点を変えて税金の使い道について深く考えてみたい。
みちしるべ
2017-02-15
毎年のことだがこの時期になると気になるのが未受注業者。発注が進むゼロ県債に、国の経済対策の工事、もちろん今年度のプロパー分もある。それらが年度末にかけて一斉に発注を迎える▼すでに補正、ゼロ国債の内示額も確定し、各発注機関では入札日の最終調整が進んでいる。県の出先機関には、同一工種で同一クラスの工事を同じ日に複数件入札しないという発注方針がある▼周知の通り、これは受注減点を機能させるため。ただ入札の曜日が決まっている上に、正味1カ月という期間で相当件数を執行しなくてはならない―などの制約から、今回はそうもいかないようだ▼タイトな日程で、管内の離れた地域に限り認める方向だ。土木A級の1/3がまだ未受注という管内もある。
みちしるべ
2017-02-14
県内の砂防事業は、1930年代の初頭から始まったと聞いたことがある。その後、土木に携わる多くの人達が砂防ダムなどの工事に取り組んでいるが、整備率はまだ低く、老朽化した施設も多くなった▼5年ほど前の話だが、ある講演会で聞いた国交省OBの話を時々思い出す。「国の国民に対する愛情の尺度は、防災に対する取り組み。国民の命を国はどう考えているのか」▼考え抜いたハード面の対策と、防災教育の充実が、多くの命を守ることにつながると話した。言葉に重みがある▼高齢化が進む地方にとって、インフラが整っていることが生活する上での最低条件だと多くの人が訴える。「土木」の知恵を絞り出すことで、地域の人達に安心を与えることがありはしないか。
みちしるべ
2017-02-13
工事発注の平準化は長年に渡り公共工事への依存度の高い地方の建設業界が求めて来たことである▼「気候の良い時期に施工することが、品質の良い成果品に結び付くことは自明の理」とする主張はよく耳にするが、「年度変わりの端境期対策として春先の手持ち工事を確保したい」という本音も見え隠れする▼国や県レベルではゼロ国債工事、ゼロ県債工事が定着した感がある一方で、市町村レベルにそれを求めるのは多少無理がある気もする。そんな中で、地元建設業界の一部から聞かれるのは「繰越明許」を活用した発注平準化の実現を求める声だ▼米子市辺りでも毎年、数億円単位の繰越明許が発生する。その背景には占用案件との調整など様々に理由はあるが、それが実質的に発注平準化の一端を担っているのも事実。要は議会が納得するかどうか…