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コラム

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みちしるべ

2017-04-12
 先日、ご近所の氏神様の春祭に出かけた。今年一年の豊作や家内安全を祈願した▼なにぶん田舎のことゆえ、集まった人は高齢者及びその予備軍がほとんどで、若者は少なく、子供は小学生が二人ほど。典型的な少子高齢化社会の縮図を見た。集まった大人達はこの行事をどう後世に伝えていくのか、真剣に考えないといけない、という声が出ていた▼建設業界もそうで、跡継ぎ問題、若手技術者の育成が大きな問題となっている。 「あそこの会社は誰が継ぐのか。M&Aの話しが活発だと聞いた」といった話を聞く機会も多くなってきた▼本紙では「ニューフェイス」 として新入社員を紹介しているが、若者たちが20年後、30年後もこの業界に身を置いてもらうためにも地道に働き方改革を進めて行くしかない。

みちしるべ

2017-04-11
 「協会に入っても何のメリットもない」-特に若い経営者に多い言いぐさだが、最近は現会員からもこうした声が出る。なるほど、日ごろの会社経営で会員だからといって優遇されるわけでもない▼だが、どうだろう。建設業の魅力アップにしても個々で取り組むよりも団体の方が世間に与えるインパクトは強い。役所への不満もそう。業界が求めていた最低制限価格の引き上げは、団体の意思表示によって役所を突き動かした▼迎えた春はこれからが総会シーズン。今年は役員改選がメインで、水面下では人事を巡り駆け引きが続く▼働き方改革など業界も変わろうとしている。結集した声を世に発信できるリーダーはいないか。差し迫った課題に立ち向かうにふさわしい人物を選びたい。

みちしるべ

2017-04-10
 世界に誇る日本の施工技術―。政治、行政の「腐敗ぶり」とは裏腹に、古くに建立された神社・仏閣、城郭など今も雄姿を遺す木造建築は、世界に誇る日本文化だ▼呼応するように左官工事に「しっくい塗り仕上げ」が復活へ。日本左官業組合連合会(長谷川哲義会長)が、自民党の左官業振興議員連盟(石破茂会長)を通じて国土交通省に要望▼同省は19年版公共建築工事標準仕様書で左官工事の項目に、「しっくい塗り仕上げ」を半世紀ぶりに復活させる方針。実現すればRC造など非木造を含む需要拡大が望める▼土木技術でも開通から30年を迎えた瀬戸大橋、開通から20年の明石海峡大橋とも世界に誇る最高の技術。無責任な政治家には現場で必死に働く技術者の「汗の一滴」でも飲ませたい。

みちしるべ

2017-04-09
 砂防に関する学問の進歩と土砂災害対策の発展、技術者の資質の向上を図り、土砂災害から国民の生命・財産や国土保全と社会の発展を目的に1951年に砂防学会が発足した▼会員は大学、行政、民間企業で働く2千人余。土砂災害発生のメカニズムや砂防の必要性などを調査・研究し、実際の対策に生かし、安全で豊かな国土づくりに貢献する様々な活動を行う▼2018年度砂防学会定時総会並びに研究発表会「鳥取大会」が5月16~18日、米子コンベンションセンターを主会場に開催される。砂防学会、鳥取大学、国土交通省、林野庁、県、建設コン協、県測協からなる実行委で昨年から進めてきた準備もいよいよ佳境▼目標は昨年の奈良大会、全国から千人を超す砂防技術者を迎える。

みちしるべ

2017-04-06
 真新しい制服やスーツ姿の若い人。そして、初心者マークの車をたくさん見かける季節になった。夢や期待とともに、新しい空気に戸惑うことも多かろう▼本紙が春の企画として掲載する「ニューフェイス」の取材も始まった。若い人からどんなコメントが出てくるのか、毎年楽しみにしている。入社したばかりのこの頃は、将来の夢と同時に戸惑うことも多かろう▼業界のある企業は、高校から入ってきた新人社員を4月から専門校に通学させる。企業の負担は大きいが、必要な知識や技能を身に着けてくるし、人材の確保にもつなげたい▼「将来は信頼される技術者に」と話すニューフェイスの夢が必ずかなうよう応援すると同時に、この業界で働くことへの誇りを持たせたい。

みちしるべ

2017-04-05
 JR米子駅前のホテル群、皆生温泉の旅館街など宿泊拠点都市を目指して来た米子市だが、伊木隆司市長はそれでは満足しない。「宿泊拠点都市としては、それなりの成果を収めて来たと考えるが、近年の近隣の観光地に次々と大型宿泊施設が出来た現状を見れば、もはや、宿泊拠点都市というコンセプトでは不十分」とする▼このところ口をついて出る言葉は「ナイトタイムエコノミー政策」。要は夜の消費を如何にして取り込むのか。夜間に楽しめる娯楽や飲食などがあれば、その延長上で宿泊に結び付くということらしい▼考えて見れば、その昔?山陰最大の歓楽街とされた米子市朝日町、夜の皆生温泉街の華やかぶりは今更のことだろう。それこそ昔むかし、我が建設業界の社長連のナイトタイムエコノミーの凄さも今更か…それだけ業界も華やかだったということだが…。

みちしるべ

2017-04-04
 鳥取市が1日から中核都市としてスタートした。人口20万人が中核市としの要件だが、特例都市だったことから中核市となった。中核市としての業務は産業廃棄物処理に関する業の許可や関係者への指導、浄化槽の保守点検業の登録、設置等の届け受理など、多くの事務権限が県から移譲され住民サービス向上がはかられる▼鳥取市は平成16年11月の市町村大合併で、山陰地区で初めて20万人都市になった。しかし、少子高齢化の時代背景から人口減少に歯止めがかからず、平成20年12月に20万人を、平成29年12月末には19万人を割り込み今年2月28日現在で18万9529人となった。特に、生産年齢人口が合併時の約13万人から11万人と、若者層を中心に減少が進んでいる▼街なかに若者が集い、行き交い、賑わう街づくり。20万人都市回復に向けて、市政2期目を担う深沢義彦市長の手腕に期待したい。

みちしるべ

2017-04-03
 桜の見頃がピークを迎える中、新年度がスタートした。春は出会いと別れの季節、これまで育った家を出て就職あるいは入学で多くの若者が新生活を始める▼2日にはいくつかの地元企業でも入社式が開かれた。多くの新入社員が式で耳にするのは「やりがい」や「挑戦」「社会貢献」といった言葉ではないだろうか。▼新設工事が減少傾向の中、維持や修繕工事が中心となってくる、そこに「やりがい」を見つけることは難しいかもしれない。橋や道路といった構造物を造ってこそ建設業の魅力だろう。しかし、維持や修繕も住民の安心・安全を支えていることを忘れてはならない▼本紙では「ニューフェイス」と称し、これから新入社員を紹介していく。彼ら、彼女らの目標に目を通し、初心を忘れずにしなければ。

みちしるべ

2017-04-02
 先月18日、アメリカでウーバーの自動運転車が歩行者をはね、死亡させた。自動運転車による歩行者の死亡事故は世界でも初めて。システムやセンサーの不具合が事故につながった可能性が高いという▼問題になるのは、自動運転車の事故は誰が責任を負うのかという点。今後、国内外問わず議論の的になるに違いない。科学技術の発展は我々の生活を豊かにしてきた。その反面、高度化した技術は社会に新たな問題を投げかける▼国土交通省は建設業界の生産性向上のため、i-Constructionを推進している。自動制御の建機で進む工事は高精度で効率も良い▼しかし、機械の不具合・故障などまだ万全ではない。瑕疵に対する責任の所在はどうなるのか。情報化施工普及の課題の一つだ。

みちしるべ

2017-03-30
 「人生いろいろ」。言わずと知れた、島倉千代子の大ヒット曲。なぜか、この歌を耳にすると、在りし日の小泉純一郎元首相の変人的な発言が思い出される▼今、国会では「森友学園への国有地の売却問題」が政局にまで発展するような大きな議論を巻き起こしているが、その当時の「年金問題」でのこの小泉発言も物議を醸した▼そんな政治の話はともかく、世の中がそうさせたのか。または、安定志向の強い、現代の若者気質なのか。就活における公務員志望は以前にも増して高い。そして、親もそれを望む▼一方で、その公務員を捨て、別の世界に身を投じる若者も。その若者のトラバーユ(転職)の動機は、「現場で仕事をしたいから…」と実に明快だという。それにしても、人生いろいろ。石原裕次郎がいみじくも言った「我が人生に悔いはなし」。
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