コラム
みちしるべ
2017-04-20
国交省が先に公表した平成30年の公示地価で、県内最高土地は、鳥取市栄町の1平方㍍当たり13万6000円。坪単価で44万8800円。住宅地では鳥取市東町2丁目が9万3800円、坪単価30万9000円。県内の地価平均変動率は20年連続で下落しているものの、前年比マイナス1・2%と大幅に縮小しており改善方向にある▼県内の不動産需要は近年、アクセス道などの道路網整備が進んでいる好立地条件地域を中心に、景気回復基調を裏付ける形で徐々ながらも需要が高まっている。最近よく耳にするのが「分譲宅地造成工事開始とともに、引き合いや問い合わせが多々ある」。中には「完成を待たずに完売する区域も」と。通勤時間・距離の短縮、また固定資産税等の税制面も考えれば、比較的安価な市郊外や市外での需要が高っている▼道路網の拡充整備促進は、地域経済を支える大きな役割を担っている。
みちしるべ
2017-04-19
今年も多くの新入社員を本紙の「ニューフェイス」で目にする。日々の業務にとまどい、多くのことを学ぶ毎日は大変かもしれない。しばらくすれば大型連休がやってくる。それまでもう少しの辛抱だ▼「この業界にもだいぶ慣れてきたな」。昨年のことだが、ある社長さんから有り難い言葉をもらったことを思い出した。振り返れば記者として4年の月日が経とうとしている。まだ、右も左も分からない頃、業者を訪ねると、必ず社長さんに会いに行った。しかし、相手にされることも少なければ、「忙しいだ」の一言で犬と散歩に出かけるなど苦い思いもした▼まだまだ一人前とはいえないが、成長は感じる。継続は力なり。ありきたりな言葉かもしれないが、やはり積み重ねが大事である。
みちしるべ
2017-04-18
11日に発生した大分県中津市の土砂崩落。山腹からの土砂で呑み込まれた集落の様子は、日本全国に大きな衝撃を与えた。この土砂災害を受け、県は「土砂災害警戒区域」について、崩壊の可能性などを探る緊急調査を始めると発表した▼土砂災害で記憶に新しいのは、昨年、立て続けに日本列島を襲った台風だ。県内でも多くの浸水被害や道路の崩落が確認され、少し間違えれば多数の死傷者が出てもおかしくないような状況だった。現在も行政と建設業者が一丸となって、復旧・復興を進めている▼これから出水期に入ると、ますます災害も多くなる。自然災害に対する万全な対策は不可能だ。しかし、被害が一つでも少なくなるよう、行政と地元業者が連携して地域の安全を守って欲しい。
みちしるべ
2017-04-17
「おもてなし」。2020年に開催される東京オリンピックの誘致の際に話題となった日本のおもてなしの心。相手の心をわしづかみにするのも、ささやかな心遣いだったりする▼ところが、鳥取市の企業誘致の話になると、どうも、その「おもてなし」に首をかしげる向きも少なくない。雇用の創出に本当につながるのか。今の雇用情勢を考えれば、そこまで手厚い支援が必要か▼または、「(進出する企業を)しっかりと調査しているのか疑問だ」。金融関係者からはそんな声もある。また、人材を奪われる地元企業から不満の声もあるという▼地元建設業界からも「企業を誘致する際に地元企業を活用することをなぜ条件にできないか。あまりにも弱腰だ」。確かに、もっと、地元企業に対する「おもてなし」も必要では…。
みちしるべ
2017-04-16
きょう4月16日はボーイズビーアンビシャスデー。1877年4月16日に札幌農学校のウィリアム・スミス・クラーク教頭がこの言葉を残して北海道を去ったことにちなむ▼「少年よ、大志を抱け」新卒者が入社するこの時期にぴったりな言葉だ。若手の育成が喫緊の課題になっている建設業界。若い力が活躍する場はいくらでもある▼一方で、若手が続かないという深刻な悩みもある。本紙のニューフェイスで紹介した新入社員の方が数年後もその会社で活躍していると嬉しいものだ▼クラーク博士の言葉の全文は「少年よ、この老人(私)のように大志を抱け」というものだ。目標になるベテラン技術者が残っているうちに若手を育成し、技術を継承していかなければならない。
みちしるべ
2017-04-12
先日、ご近所の氏神様の春祭に出かけた。今年一年の豊作や家内安全を祈願した▼なにぶん田舎のことゆえ、集まった人は高齢者及びその予備軍がほとんどで、若者は少なく、子供は小学生が二人ほど。典型的な少子高齢化社会の縮図を見た。集まった大人達はこの行事をどう後世に伝えていくのか、真剣に考えないといけない、という声が出ていた▼建設業界もそうで、跡継ぎ問題、若手技術者の育成が大きな問題となっている。 「あそこの会社は誰が継ぐのか。M&Aの話しが活発だと聞いた」といった話を聞く機会も多くなってきた▼本紙では「ニューフェイス」 として新入社員を紹介しているが、若者たちが20年後、30年後もこの業界に身を置いてもらうためにも地道に働き方改革を進めて行くしかない。
みちしるべ
2017-04-11
「協会に入っても何のメリットもない」-特に若い経営者に多い言いぐさだが、最近は現会員からもこうした声が出る。なるほど、日ごろの会社経営で会員だからといって優遇されるわけでもない▼だが、どうだろう。建設業の魅力アップにしても個々で取り組むよりも団体の方が世間に与えるインパクトは強い。役所への不満もそう。業界が求めていた最低制限価格の引き上げは、団体の意思表示によって役所を突き動かした▼迎えた春はこれからが総会シーズン。今年は役員改選がメインで、水面下では人事を巡り駆け引きが続く▼働き方改革など業界も変わろうとしている。結集した声を世に発信できるリーダーはいないか。差し迫った課題に立ち向かうにふさわしい人物を選びたい。
みちしるべ
2017-04-10
世界に誇る日本の施工技術―。政治、行政の「腐敗ぶり」とは裏腹に、古くに建立された神社・仏閣、城郭など今も雄姿を遺す木造建築は、世界に誇る日本文化だ▼呼応するように左官工事に「しっくい塗り仕上げ」が復活へ。日本左官業組合連合会(長谷川哲義会長)が、自民党の左官業振興議員連盟(石破茂会長)を通じて国土交通省に要望▼同省は19年版公共建築工事標準仕様書で左官工事の項目に、「しっくい塗り仕上げ」を半世紀ぶりに復活させる方針。実現すればRC造など非木造を含む需要拡大が望める▼土木技術でも開通から30年を迎えた瀬戸大橋、開通から20年の明石海峡大橋とも世界に誇る最高の技術。無責任な政治家には現場で必死に働く技術者の「汗の一滴」でも飲ませたい。
みちしるべ
2017-04-09
砂防に関する学問の進歩と土砂災害対策の発展、技術者の資質の向上を図り、土砂災害から国民の生命・財産や国土保全と社会の発展を目的に1951年に砂防学会が発足した▼会員は大学、行政、民間企業で働く2千人余。土砂災害発生のメカニズムや砂防の必要性などを調査・研究し、実際の対策に生かし、安全で豊かな国土づくりに貢献する様々な活動を行う▼2018年度砂防学会定時総会並びに研究発表会「鳥取大会」が5月16~18日、米子コンベンションセンターを主会場に開催される。砂防学会、鳥取大学、国土交通省、林野庁、県、建設コン協、県測協からなる実行委で昨年から進めてきた準備もいよいよ佳境▼目標は昨年の奈良大会、全国から千人を超す砂防技術者を迎える。
みちしるべ
2017-04-06
真新しい制服やスーツ姿の若い人。そして、初心者マークの車をたくさん見かける季節になった。夢や期待とともに、新しい空気に戸惑うことも多かろう▼本紙が春の企画として掲載する「ニューフェイス」の取材も始まった。若い人からどんなコメントが出てくるのか、毎年楽しみにしている。入社したばかりのこの頃は、将来の夢と同時に戸惑うことも多かろう▼業界のある企業は、高校から入ってきた新人社員を4月から専門校に通学させる。企業の負担は大きいが、必要な知識や技能を身に着けてくるし、人材の確保にもつなげたい▼「将来は信頼される技術者に」と話すニューフェイスの夢が必ずかなうよう応援すると同時に、この業界で働くことへの誇りを持たせたい。