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コラム

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みちしるべ

2017-03-14
 かつては多くの旅館があり、県内でも第二の集客力を持つ温泉地だった東郷温泉。湯梨浜町は、その玄関口である松崎駅を活性化させようと、様々な事業を進めている▼今年4月には駅前に総合センター・お試し住宅が完成し、秋にはその隣地に多世代交流拠点施設を建設する。駅南側では水田地帯約2・3㌶を区画整理し、梨生産団地を造成。旧ミドーレイクホテル跡地には、サービス付き高齢者向け住宅、町営住宅などを整備する▼同町の宮脇正道町長は3月の定例議会で、「必要なことには着実に手を打ち、住みやすく、魅力と活気にあふれるまちづくりを推進してきたい」と意気込む▼今はまだ魅力あるまちづくりの道すがら。町の活性化に向け、これからも様々な仕掛けを期待したい。

みちしるべ

2017-03-13
 「ぶどうの房」を意味するクラスター。これが爆弾となるとおっかないが、産業クラスターなら大歓迎だ。鳥取市は、その基幹企業だった三洋電機の経営破綻の影響を引きずっている▼失って初めて気づく存在の大きさ。同社の企業城下町だった鳥取市にとって地域経済へ及ぼした損失は計り知れないものがある▼県や鳥取市が企業誘致に東奔西走するものの、ぶどうの房を誘引するよう企業立地は望むべくもない。グローバルに目まぐるしく変化する昨今の産業界ではなおさらそうか▼経営の神様と言われた松下電器(現パナソニック)創業者の故松下幸之助さん。皆生温泉の旅館の仲居さんが松下さんに地域の雇用の窮状を訴え、同社の関連企業が米子に立地したという美談もあった。そんな時代もあったというが…。

みちしるべ

2017-03-12
 フィギュア製造の「びーふる」の倉吉市進出に係る調印式が14日に行われる。円形劇場フィギュアミュージアムも4月オープンの予定で、明るい話題が続く▼円形劇場のクラウドファンディングは目標額を達成し、恐竜のフィギュアが製作柱のようだ。スケッチを見る限りでは、恐竜というより怪獣。着ぐるみの怪獣は、昭和を代表するアイテムの一つなので、元円形校舎にはふさわしい▼これだけフィギュアが盛んな背景には、モノづくりへの日本人のこだわりがあるせいか。CGで済む内容を、わざわざ模型やボードを作って解説するTV番組がある▼精巧なフィギュア、模型製作は、高度な技術があって可能になるもの。完成品を見ながらモノづくりの歴史、未来を考えるのも一興か。

みちしるべ

2017-03-09
 効果的な解決策となり得るか。鳥取市は、災害復旧工事を迅速に施工するための臨時的措置として現場代理人の兼務を認めることにした。同市では、土木D級を中心に災害復旧工事の不落札が相次いでいる▼既に同制度を利用して現場代理人を兼務させる業者が現れたほか、入札時に同制度について質問する業者も出てきているそうだ。今後の入札状況を見守りたい▼以前から災害復旧工事は避けられやすい傾向にある。技術者が不足していることだけが不落札の原因ではないだろう。仕事をしやすく、利益を上げやすい環境を作ることが大切。地元の建設業者には災害復旧工事でも大いに活躍してほしい。今回の制度改正はその第一歩に過ぎない。二の矢、三の矢にも期待したい。

みちしるべ

2017-03-08
 春の陽光の下、雪を被った大山が美しい。西暦七百年代に開創された大山寺は今年、開山千三百年を迎え、官民が一体となった催しを展開する。施設整備では大山山頂小屋の改修なども計画されている▼それから六百年後の千三百年代に大山周辺は日本の歴史の表舞台立つことに。配流されていた隠岐を脱出した後醍醐天皇が船上山(琴浦町)に入り、鎌倉幕府方との戦いに勝ち、そこから倒幕の綸旨を全国に発した▼天皇にまつわる地名、場所も多く江府町御机、米子市の安養寺、安来市未明(ほのか)、大山町御来屋などがある。また、大山町鈑戸の王身代家は天皇の影武者となったことに由来する▼年度末の慌ただしい時期だが、開山1300年とともに太平記の時代に思いを馳せてはいかが…。

みちしるべ

2017-03-07
 公共事業の効果について-道路ができたら、工場が進出して新たな雇用を生み、所得が増えたら消費も拡大する。だから、建設産業は社会経済活動を下支えしている。一方、他産業から見れば「俺ら経済界が求めるから道路ができ、港湾も整備されるんだ」▼どちらも需要を作り出すフロー効果としては正しい。ただ欠けているのは、インフラの整備後にきっちりと機能が働くストック効果の視点だ▼高速道路にしても2車線よりも4車線があれば、移動時間を短縮できるし安全性だって向上する。貨物取扱量など物流の生産性も高まる▼フローとストック、両面合わせて評価されるべき。そうしたら公共投資への偏見も少しは解消され、他の歳出費目に比べても公平に扱われるのではないか。

みちしるべ

2017-03-06
 暴風雪下で迎えた三月は別れの季節。『辞書から消えたことわざ』(角川新書)には含蓄がある。多くの蘊蓄(うんちく)ある諺(ことわざ)が紹介されている▼次の一つがぴったりか。『松のことは松に習え、竹のことは竹に習え』。何事も、その道に通じている人に聞けば、一人で悶々とするより上達が早いだろう、と。県を退職される方々の後輩への餞(はなむけ)の言葉が本紙に載る季節でもある▼「さよならだけが人生だ」。この言い得て妙の言葉は、作家・井伏鱒二氏が、于武陵(うぶりょう)の詩『進酒』を訳したものとされる。「片道切符」の人生を表現するにふさわしい、と常々思っている▼低温だった「衣更着」(二月)から花咲く「弥生」(三月)。吹き荒れた春の嵐も時節の一つ。第二の人生に向け去り行く各位の前途に幸多かれ。

みちしるべ

2017-03-05
 県が新年度から適用する測量等業務におけるダンピング対策の見直しについての説明会が22日に倉吉未来中心でコンサル業者を対象に開かれる▼主な内容は、調査基準価格=失格基準価格の運用を廃止し、下回ったものに低入札価格調査を実施する。また、成果品重点確認価格を下回る額で契約した業務の検査体制強化を監督体制の強化などに見直す▼一方、建設工事(総合評価)の見直しでも調査基準価格を予定価格の概ね92%、失格基準価格を概ね90%に設け、2%の間で低入札価格調査を実施する。評価項目に施工体制4点を新設し、調査基準価格を下回った応札には付与しない▼低価格入札の頻発や品質低下を防ぐための入札制度の見直しだが、工事関係の説明会はないのだろうか。

みちしるべ

2017-03-02
 3月に入ると春を感じることも多くなる。陽ざしも少しは暖かくなるし、春に咲く花も芽吹く。それでも、まだ雪が降る日もあるから、冬用タイヤはまだまだ交換できない▼先日行った三朝町の山間部には多くの雪があった。県道鳥取鹿野倉吉線は、鳥取市と倉吉市を結ぶ幹線道路で、佐谷峠のアップダウンは難所。新緑や紅葉の時期は、まさに絵のような風景が続くが、豪雪の冬場は雪崩で通行止めになることもあり、峠の往来は避ける▼この道路沿いは投入堂で有名な三徳山。そして、県道三朝中線に入ると中津渓谷。峠を下れば三朝温泉がある県内有数の観光地だ。一年中、観光客を呼び込むには、冬場の交通アクセスなど道路を中心にしたハード面の充実が欠かせない、といつも思う。

みちしるべ

2017-03-01
 「ごみ処理の問題は住民の安心安全、文化的生活の裏側の問題であり、避けては通れない問題。この問題の対処には大きなコストもかかる。少し時間をかけてでも良い選択をしたい」と県西部のごみ処理のあり方検討会が4月発足する▼可燃ごみ処理施設、不燃ごみ処理施設、一般廃棄物の最終処分場それぞれを西部広域で整備して行かなければならないという現実は、まさしく眼前に立ち塞がる巨大な壁だ。可燃、不燃ごみ処理施設の稼働予定は2032年、一般廃棄物の最終処分場は29年稼働目途とされる▼一見してまだ時間がありそうに見えてもそうではない。最終処分場確保にしても環境影響調査など様々な手続きを経て工事実施期間を考えれば最低でも10年は必要とされるのが一般的見方。「少し時間をかけて」の「少し」も限られているのが実態だ。
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