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コラム

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みちしるべ

2023-11-15
 時代の流れに乗り遅れまいと、だれもが思う。ところが、家電や電子機器はどんどん進化するし、言葉の使い方も変わる。電話を前に「ダイヤルを回して」と独り言。こんなことは、何も小欄だけではあるまい▼建設業界もずいぶん進化すると同時に発注者から求められる項目も多様化している。高価なソフトや測量のための機器。建設機械も「ハイテク」。現場の人は難なく使いこなす▼業界で長く活躍するベテランの技術者と話した。昭和の時代から数多くの現場に携わっているから、知識と経験は実に豊富だし、忘れられない腕前の職人技を見てきた▼構造物が出来上がる過程が楽しみだ、と話すベテランがパソコンやスマホを苦もなさそうに操る姿を見せつける。無理をしていないか、と聞いた。(鷺)

みちしるべ

2023-11-13
 全国でクマによる人身被害や目撃情報が相次いでいる。餌となるドングリが凶作で、冬眠前に食糧を求めて出没するリスクが高いとか。環境省によると、今年度は10月までで被害件数、人数ともに年度別の最多を既に更新した▼隣県の島根県では、林道で測量中の作業員が遭遇。スプレーで撃退し、ケガはなかったものの、1㍍ほど背後に迫っていたというのだから恐ろしい。人と動物が共存できる環境づくりは課題。山で作業する読者の皆さんはくれぐれも気を付けてほしい▼冬が終われば春。建設業者にとっては、新年度の工事が「豊作」かどうかは無論、関心事である一方、業界には時間外労働の上限規制が適用される。発注者側と受注者側が「共存」するため、工期を適切に設定、管理することが一層求められそうだ。(鴛)

みちしるべ

2023-11-10
 大河ドラマ『どうする家康』の舞台はいよいよ関ヶ原。奇しくも先週、西軍・真田氏ゆかりの長野県上田市で「上田真田まつり」が開かれ、赤備えの武者行列が市中を練り歩いていた▼屈指の知名度を誇る戦国大名だけに、創作の題材になることも多い。7年前の大河『真田丸』などが記憶に新しいが、1962年初演『真田風雲録』は日本演劇史に残る作品▼真田十勇士を主役に据えながら、当時の世相を反映し、安保闘争や学生運動を想起させる内容。一方セリフ回しや人物の描き方は極めて現代的で、時代を超えた普遍性を獲得している▼再来年春の開館へ県立美術館周辺が活気づいてきた。初の企画展テーマはまさに「時代を超える美術」。アートには「未来をつくる」と謳うだけの力があると知らしめてほしい。(鵯)

みちしるべ

2023-11-09
 先日、個人のGmail内を検索したところ、13年前のメールが出てきて懐かしい気持ちになった。ちょうど中学生で、メールで知人とやり取りしていた▼少し時は流れ2011年にはLINEが登場。スマホの普及とともに、個人間のやり取りでメールに取って代わった。気づけば個人の携帯番号どころか、メールアドレスすら知らない時代になっている▼スマホの普及も著しかった。筆者の世代(30歳手前)がガラケーとスマホのはざまで、少し下の世代は初めてのケータイがスマホという人も。スマホさえあれば仕事、プライベートで何でも出来てしまうから、技術の進歩には驚くばかりだ▼建設業をはじめ、どの産業でもICT化は進む。ただ、スマホ、タブレットの紛失による情報漏えいには気を付けたいものだ。(隼)

みちしるべ

2023-11-08
 感染規模が大きくなると予想されるインフルエンザ。専門家によれば年末にかけてピークになるかもしれないという。繁忙期になるこれからの時期、感染には気をつけたいところ▼風邪を引いたときよくお粥を食べていた小さな頃を思い出す。胃の負担が少ない上、水分と栄養分さらには免疫力に繋がり風邪を引いたときにはうってつけの料理。だが、味がなくて、ドロドロした感じが当時すごく嫌いだった▼お粥にまつわる話がある。建設業の技能実習生でベトナム人をよく見かけるが実習生に聞くと言葉の壁を気にする声が多い。ベトナム語で「こんにちは」は「シンチャオ」、お粥は「チャオ」となる。発音が悪いと、日本人のあいさつが「お粥!」と聞こえると笑って話してくれた。(鴎)

みちしるべ

2023-11-07
 「十一」と「十八」の文字を組み合わせて土木。11月18日「土木の日」が近づいてきた。知人で長崎県にいる業界紙の記者が「鳥取県でもPRお願いしますよ」―▼土木で交流サイト(SNS)をジャック。土木伝道師・デミー博士こと、長崎大学工学博士の出水亨氏が当日午前11時18分をめがけて「#土木の日2023」を付けた写真・動画の投稿を呼び掛けている。トレンド入りで土木を広め、担い手不足に悩む建設業界を応援する狙い▼先月、来県して講演した元国交事務次官の谷口博昭氏は「今の若い人は3K(きつい、汚い、危険)の言葉さえも知らない世代」と警めた。ましてや、業界が目指す4K(給与、休暇、希望、かっこいい)なんて…▼土木の魅力を発信する側は、今一度、襟を正して対処すべき必要がありそうだ。(鷲)

みちしるべ

2023-11-06
 最近、「カーボンニュートラル」がよく聞かれるようになった。これをこれからの次代を担う子供たちにどう継承していくかが課題となっている▼今の子供たちは、夏の酷暑や、毎年どこかで大規模な自然災害が起こることなどが当たり前になっている。これは異常なことであると伝えていかなければならないし、カーボンニュートラルの取り組みはすぐに成果が表れるものではなく、身近なことから取り組んでいかなければいけないと伝えることが重要だ▼建設業では担い手確保が課題となっているが、子供たちに業界の魅力を伝える取り組みを行っている。魅力を伝えるのも大切だが、自然災害から地域を守る建設業の減少は日々の生活の安全・安心の危機につながることを伝えていかなければならない。(雛)

みちしるべ

2023-11-02
 土の下には何があるのか。普段は見えないから、多くの研究者が地中を探る。ずっと昔の自然や生物、暮らしを知るための発掘作業は過酷に違いがない▼小欄にとって身近な存在は地質調査や掘削を専門とする人達だ。宴会の場でも土の話で盛り上がっている光景をうらやましく思える。大変な職業だが、地上から土の中が見えてくるとも聞く▼県さく井協会が防災などを目的にした多目的井戸を今年も地域に寄贈。19年目というから頭が下がる。一つのことを長くやり続けるのは難しいが、災害時には水の確保がどれほど大変なことなのかをこの人達は知っている▼技術や技能は、積み上げた現場での経験を身体に刻み込ませた「技」という話を聞いた。これに知識をプラスし、次の世代に技を伝承する。(鷺)

みちしるべ

2023-11-01
 芸術の秋に相応しく、各地で興味深い展覧会が催されている。米子市での建築士事務所全国大会で講演した内藤廣氏設計の島根県芸術文化センターでは、同氏の個展が開催中。実現しなかった作品も示す面白い企画で、思考の軌跡を辿ることができる▼東京ではSOMPO美術館での20年ぶりのゴッホ展。足を運んだところ、対極にある色を使い、全く異なる補色の効果を狙った絵画など、秀逸なものばかり。両展とも空間や余白に意味を持たせている作品も目立ち、意図を解釈、思考し、感性を磨く機会となった▼業界では、工事量が落ち込む年度当初の受注を心配する声が聞こえ始めた。一部の発注者はゼロ債を積極活用し、施工時期の平準化で対策を打つそう。こちらは、空間や余白をいかに埋めるかが腕の見せ所だ。(鴛)

みちしるべ

2023-10-30
 IMFが先週公表した経済見通しによれば、日本のドル換算での名目GDPは今年、いよいよドイツを下回り4位に転落するようだ。足元の円安とドイツの高インフレ、長期的な日本経済の低迷も加味すれば順当か▼にも関わらず、一部欧米やアジアの知識人が唱える日本評はかえって好転しているという。「失われた30年」を経てもなお社会は高い秩序を備え、国民の教育レベルも高く、インフラが形を保っている。経済成長抜きにこれをやってのけたことが驚異的なのだとか▼革新や先行投資はできなくとも、個々の現場は必死にやりくりをして、マイナスをゼロに押し留めている―そう考えれば決して停滞とは呼べないのかもしれない。新たな総合経済対策には、あと一歩を踏み出す後押しを期待したい。(鵯)
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