コラム
みちしるべ
2018-12-19
県西部総合事務所の福祉保健局庁舎(米子市東福原)は、建設から約50年が経過し、老朽化や耐震基準への不適合などの課題が生じている。米子市糀町の西部総合事務所敷地内にある旧米子警察署建物を解体した跡地に福祉保健局機能の移転、新棟整備を検討中だ。▼事業実施向けてPPP/PFIなどの事業手法採用の可能性を検討するために市場調査(アンケート)を実施した。民間活力を導入した施設整備では警察署の官舎などが過去にある▼県では、効率的かつ効果的な公共施設の整備、運営を進め、新たなビジネスチャンスの創出や民間投資の喚起による経済成長を実現するためPPP/PFIに積極的に取り組むとしている▼厳しい財政状況は何処も同じだが、事業の行方には興味津々だ。(鴉)
みちしるべ
2018-12-18
毎日報道されるニュースの量は膨大で、今年一年どんなことがあったのか忘れる。公文書やデータの改ざん、自民党の総裁選挙、スーパーボランティア、ゴーン会長。そして、聞くことさえ辛くなるニュースは少しもなくならない▼スポーツはどうか。海を渡った大谷翔平選手の活躍、高校野球は大阪桐蔭高校が春夏連覇。平昌の冬季五輪、サッカーのワールドカップも今年の話だが、相次ぐスポーツ界の不祥事が一気に表に出た一年だった▼忘れてはならないのは、全国各地で発生した自然災害だ。大阪と北海道を震源にした地震、西日本豪雨、相次いで上陸した台風による被害。こうした地域の復旧は、まだこれからだ。住み慣れた土地や家に帰ることができないまま、年を越す人が全国各地に大勢いる。(鷺)
みちしるべ
2018-12-17
パソコンや家電製品などの使用済み電子機器からの有資源リサイクル処理は、選別と分解に多くの手間と時間がかかる。これらの処理は、そのほとんどが中国へ輸出処理されていたが、その中国が今年全面輸入禁止したことから今、国内でその処理対策が問題化し、山陰地域でも表面化している▼リサイクル業で組織する山陰資源適正処理協議会の牧浦健泰会長は「このままでは家電ゴミ等の行き場がなくなる」。生産者、消費者、処理者など「社会全体が現状を認識する必要がある」と危機感を訴える▼県内にはいまだに《管理型最終処分場》がない。「我々業界だけで対応できる問題ではない」と、混乱に陥ることへの不安も滲ませる▼先日平井知事は最終処分場整備について、積極的な姿勢を示した。早急な方策が求められる。(雀)
みちしるべ
2018-12-14
ソフトバンクとワイモバイルの大規模な通信障害の影響回線数は3060万件に達することが明らかになった。6日に発生したこの障害では、全国的に携帯電話や家庭用WiFiなどのサービスが利用できなり、ユーザーは大混乱▼同社はその原因について、基地局を制御する装置の不具合と発表。通信インフラの脆弱(ぜいじゃく)性が露呈する形となった。確かに、スマートフォンの普及は我々の生活を飛躍的に進歩させた。しかし、それは同時に諸刃の剣であることも痛感させられた▼建設業界もICT(情報通信技術)を使った施工が少しずつ普及してきた。施工性、正確性に優れてはいるが、悪条件下での施工など全て機械任せというわけにはいかない。ベテラン技術者から若手への技術の伝承は欠かせない。(鴨)
みちしるべ
2018-12-13
今年はどんな年だったのか。振り返ると、話題は尽きないが、建設業界では、相次ぐ大規模災害への対応、働き方改革も昨年に引き続き問題となった▼そして、このほど閉会した臨時国会で成立した、外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法もその一つだろう。安易に外国人労働者を受け入れていいのか。疑問視する向きも多い▼建設業に限らずどの業種も人手不足は深刻な問題で、生産性の向上と職場環境の改善が声高に叫ばれる。しかし、地方で大半を占める中小零細企業にとって、事業の継承を伴う悩ましい問題だ▼地方では、少子高齢化に加え、都市部への人口流出で、人口減少が加速度的に進んでいる。地方が元気にならなければ、国が元気になるはずがない。建設業も然りだが。(鶯)
みちしるべ
2018-12-12
鳥取大学の学生が主体となって建設業の魅力を発信する団体「ツナガルドボク」中国支部が発足した。こんご教育や観光など様々なテーマを土木と関連させて情報発信していく計画だ▼ツナガルドボクは、「知る機会を作り興味を持ってもらう」「学生時代から業界をよく知ろう」「同世代、近い世代、社会人とのつながりを作ろう」を三つのミッションに掲げており、中国地方在住で建設業に関連のある学生・社会人をメンバーとして募集している▼担い手の高齢化が進み、若手の確保と育成が大きな課題となって久しい建設業界。一方で卒業後の進路を真剣に考えている学生も建設業界の情報を求めている。これからは学生への情報発信も欠かせないテーマになるだろう。(鷹)
みちしるべ
2018-12-11
師走を迎え、何とも慌ただしくなってきた。年がかわれば、あっという間に年度末を迎える▼年度末、次年度を先食いする形で発注される工事は、国で言えば「ゼロ国債」、県では「ゼロ県債」というものがある。これに加えて米子市では「ゼロ市債」を初導入する▼現在開会中の米子市議会に12月補正予算案に、いわゆる「ゼロ市債」の債務負担行為(19年度事業前倒し発注分)として農道改良や道路整備に合計5250万円を計上した▼建設業団体からの要望を受けて市が応えたもので、早期に工事発注されることで、4月、5月の気候の良い時期に工事に専念できる。また、発注平準化により人手不足、働き方改革にも側面支援するように思う▼ゼロ市債はまだまだ他市では聞かないが、建設業界には良い決断となったように思う。(鵲)
みちしるべ
2018-12-10
県内の山陰近畿道で唯一、事業化されていないミッシングリンク区間・通称南北線のルート帯案がこのほど明らかになった▼ルート案は①全線バイパス化②部分バイパス+国道9号の立体化③部分バイパス+鳥取環状道路の活用―の3案。事業費や物件移転、環境への影響の大小など、どれも一長一短を伴う▼今後、実施するアンケートでは、住民が利用する際に重視する点やIC位置などを中心に問い掛ける。国道29号の渋滞解消や市街地を回避できるといった点では案①が有力か。新規事業化に到るまでは、まだ数年はかかるものと見られる▼来夏までに開通する鳥取西道路に次ぐ大型プロジェクトの具体化は、すっぽりと空く事業の継続性から見て、まさにミッシングリンク。手続きは丁寧ながらも短縮を図って早く事業化に持ち込みたい。(鷲)
みちしるべ
2018-12-06
擬態―。他のものに、ようすや姿を似せること、と事典。フクロウ、ヤモリやイシガレイなども。攻撃する逆に自衛のために、あの獰猛なユキヒョウまでも、カモフラージュする▼擬態語・擬音語もあり、擬音語は際限がないほどある。「べとべと」「へどもど」、「へらへら」「べらべら」、「ずぶずぶ」「ずぶり」、「かたかた」「がたがた」▼国会で立ち往生する大臣の何と多いことか。すると黒子がメモらしきものを持って駆けつける。大臣と黒子のどちらが「擬態」か、判然としないが▼最近の各国首脳は、相手の意見をじっくり聞かない。「聞く耳を持たない」と言うべきか。戌年(いぬどし)も間もなく閉じる。各首脳が、「キャンキャン吠えた戌年も、二十日余りで終わる」。こう言いたい。(雉)
みちしるべ
2018-12-05
台風、豪雨など度重なる災害を受けて国が実施した重要インフラの緊急点検の結果「防災・減災・国土強靱化のための緊急対策を3年集中で講じ、安心できる強靱な日本をつくる」と対策を取りまとめるようだ。当面は全国各地で防災、防除を中心にインフラ整備が進むのだろう▼県内でも土砂や樹木による異常堆積が多くの河川でみられ、掘削、伐開は国の緊急対策計画に盛り込まれる▼災害以前から、掘削、伐開については各市町村から要望があがっていた。災害が起き、国はようやく重い腰を上げたようだが、防げた被害もあったのではないか▼ハード面で国土強靭化を進めるのはもちろんのこと、国民の声を聞きいれる体制を整えることも忘れないでほしい。何かが起こってからでは遅い。(鶴)