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コラム

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みちしるべ

2021-10-25
 人が多くなるほど情報は伝わりにくい。昔の庶民にとっては、口伝えが大きな連絡手段だった。最初の数人には正確に伝わるが、その後は「尾ひれ」がついた話になり、見てきたようなうわさ話に変わっていった▼その後、連絡手段は紙や電話に変わり今の時代は電子化が進む。アナログが抜けていない人には、相手から「メールを送った」という電話がかかる。それでも、うまく伝わっていないケースはよくある▼以前から色々な組織で「情報の共有化」や「連絡体制の強化」が盛んに言われる。詳細な文書を送っても、受け止め方は人それぞれだ▼行政には毎日のように要望や苦情が寄せられる。中には重要なヒントが隠れているかもしれない。正確な情報を見逃すと、取り返しのつかないことになる。(鷺)

みちしるべ

2021-10-21
 ファミリーレストラン「ガスト」などを運営するすかいらーくは、ネコ型ロボットを来年末までに2000店に導入する。ネコ型ロボットと聞くと、便利な道具を出してくれるあの国民的キャラクターを思い浮かべるが、このロボットは料理を出してくれる▼ロボットが担うのは、料理の配膳と食器の回収で、画面上の表情と声で顧客とコミュニケーションもできる。外食産業では非接触での接客、店舗運営の効率化を図る目的でロボットを導入する動きが広がっているという▼建設業でも技術者不足や働き方改革に対応するため、ICT施工も増えつつある。ただ、小規模な現場などでは建機導入のコストなど課題もある▼それぞれの会社規模に応じてICTを導入、活用すれば、業界の課題も解決に一歩近づくかもしれない。(隼)

みちしるべ

2021-10-20
 社会人のコミュニケーションの基本とされる「ほうれんそう」というワード。誰もが耳にしたことがあるのではないか。1982年頃、当時の山種証券の山崎富治社長が発案し、社内で「ほうれんそう運動」を始めたのがキッカケとされている▼「ほうれんそうは古い?」以前このような記事を見た。管理職からすると「相談だけして自分で考えようとしない」社員が増えていると頭を悩ませているらしい▼そこで相談ではなく確認を取り入れ、「かく(確認)れん(連絡)ぼう(報告)」が新しいワード。確認を行うことで社員は事前に準備する事例が増えているという▼年末年始にかけてさらに繁忙期になる工事関係者。「ほうれんそう」「かくれんぼう」を改めて共有し、無事故・無災害での工事完成を祈る。(鴎)

みちしるべ

2021-10-19
 京都の百貨店での出来事。客が食料品売り場でお菓子を買い求めたところ、雨よけのビニール袋を掛けてくれた。外は晴れているのになぜ、と尋ねると「東京からご出張ですよね。あちらは雨ですよ」と見事に言い当てられたとか▼きっかけはエスカレータの立ち位置。関西は右、関東は左と暗黙のルールがある。そこから服装や所持品、時間帯などの条件を踏まえて「東京からの出張帰りに手土産を探しに来た客」と判断したそうだ▼優秀と言われる販売員は一様に、早い段階から客に注目している。それも鋭い観察眼をもって一瞬に▼その高いホスピタリティがもたらすポジティブな記憶や体験はすべて資産になり、巡り巡って企業の成果につながる。我々も含め人が介在する業種では広く、「観る」力を磨いて損はない。(鵯)

みちしるべ

2021-10-18
 柿、銀杏、栗…と秋の味覚を楽しんでいる。先日、知り合いからいただいた栗はどうしたものか。渋皮までむき取るのは手間だが、栗ご飯といこう。白いご飯と色合いよく、風味もある。秋が深まってきた▼衆院解散で、あす19日は「未来選択選挙」(岸田文雄首相)が公示される。これまでの安倍、菅両政権に対する世論の評価は厳しいが、株価上昇はあったし、コロナ対策でワクチン接種率の向上など実績も正当に評価されるべき▼何といっても、業界にとってはアベノミクスや国土強靭化によって公共事業はそこそこ増えた。県内建設業も経営内容は十分とは言えないものの、改善傾向とみてよい▼さて、これからだ。経済対策に伴う国からの指示は県に届いていないが、防災・減災絡みの補正はあるか。選挙後の動向を注視したい。(鷲)

みちしるべ

2021-10-15
 秋晴れに県道を走っていると、複雑な場所で交通量調査をしていた。交通量調査は2、3人のチームで手動の計測器を使って種類別にカウントしていくが、早朝から深夜までの長時間で体力勝負だ▼国交省は、国道などを対象に実施する交通量調査について、調査員の手による観測を廃止する方向で検討中。交通監視カメラの映像を人工知能(AI)で解析し、交通量情報に変換。将来的には交通量を常時観測できる体制を構築し、渋滞対策などにも応用できるようにする▼交通量以外にも多数の単純作業が人から機械やAIに入れ替わると言われているが、自治体が発注する業務などは要領や基準に縛られて、自動化や機械化がなかなか進んでいないとも感じる。交通量調査を皮切りにAI化など効率化が進むことを期待する。(雛)

みちしるべ

2021-10-14
 全国的にも珍しい「溶接体験施設」が富山市にオープンした。地元の鉄工業者が運営するこの施設では、職人による指導のもと本格的な溶接作業を体験できる。初日には小中学生が集まり、スツール作りを楽しく学んだとか▼この施設がオープンに至った背景には、業界の魅力を若い世代に知って貰い、次代の人材確保を目指す―業界が抱える担い手不足解消という切実な課題があった▼建設業のやりがいは様々にあるが、「ものづくりの楽しさ」もその大きな一つだろう。地図に残る仕事、自分が作った物を日々使って貰える事―そうした仕事のあり方に価値を見出す人は数多い。昨今の業界情勢を鑑みても、若手世代を対象にものづくりの魅力を教示し、業界イメージ向上に繋げる取り組みは今後ますます希求されてゆくだろう。(梟)

みちしるべ

2021-10-13
 スポーツ競技の審判とチームの監督は立場さえ大きく違うが、試合を進めていく上ではどちらも強い権限を持つ。時には、ゲームの流れが一気に変わることがあるから、的確な判断が強く求められる▼競技の世界では「審判を味方につける」という言葉を古くから聞く。不正ではなく、レベルが極めて高いチームや選手になると、早い段階でジャッジの癖を見極め始める▼現場をまかされる業界の技術者は苦労も多い。利益を出すことはもちろん、完成後に出てくる評定点が気になる。それでも最終的な目的は、発注者の監督員と良好なコミュニケーションを取りながら成果品を作り上げること▼工事や業務の開始から完了までの過程もスポーツの試合運びとどこか似ている。審判の癖は見極められるか。(鷺)

みちしるべ

2021-10-12
 「学ぶ」の語源は「真似ぶ」と言われている。この説を否定する文献もあるが、ここでは語源説で話を進めていく▼物事を始めるとき、真似をして基本形を学ぶことが多いかと思う。小欄は幼少期から音楽を嗜んでおり、中学の吹奏楽部時代から続けているドラムはまさに、好きなドラマーの叩き方を真似し、先輩らからアドバイスをもらい、自分のものにしていった▼ある県の左官工事業者では、ベテランのモルタル塗りの動画を入社した若手社員に見せ、真似させて塗り方を学んでもらう研修をしていた。先輩からのフィードバックもある。こうした研修をやり始めてから、その会社の社員定着率は上がったという▼真似させること、フィードバックすること、この2点セットが業界の技術者不足を打開する鍵かもしれない。(隼)

みちしるべ

2021-10-11
 朝夕の涼しさを肌身に受け、秋の訪れを感じる季節になってきた。秋といえば、読書の秋や実りの秋、芸術の秋と秋の代名詞が色々ある▼○○の秋と言われるようになったのはそれぞれ由来がある。例えば読書の秋では、西暦700年代後半、古代中国の詩人韓愈が詠んだ「灯火親しむべし」という詩を、夏目漱石が小説「三四郎」で取り上げたことから広まったという▼この時期、県議会が閉会を迎え、県土整備部では、9月補正での繰越承認で発注の平準化を進めていく。国が発表した各都道府県の平準化率では鳥取県は0.83と高い数値(全国平均0.75)。中国地方でも1位となっている▼秋の予算でも平準化が進めば一層良くなる。「平準化の秋」と呼ばれる日はそう遠くないかもしれない。(鴎)
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