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コラム

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みちしるべ

2021-03-08
 現場の1日は朝礼から始まる。危険予知活動など作業ごとの安全に考慮する重要な会議の1つ。また、現場には必ずと言っていいほど見かける緑十字の旗や垂れ幕。日本では安全の象徴として用いられ、「安全」と「第一」の間に配置されることが多い▼そもそも「安全第一」というスローガンはアメリカで生まれたもの。これには、続きがあり「品質第二、生産第三」と続く。20世紀はじめ、悲惨な環境で働かされていた労働者達は、多くの労働災害に遭った。これを見たエルバート・ヘンリー・ゲーリーが当時の「生産第一、品質第二、安全第三」を変更し、今のスローガンとなったのが始まりと言われている▼完成に差し掛かる工事が増加するこの時期。いつも以上に気を配りながら無事故・無災害での完成を祈っている。(鴎)

みちしるべ

2021-03-05
 年度末を迎えて、鳥取市内のある工務店は手持ち建築工事が完成し、仕事が切れるという。「コロナは続くし、来年度の公共事業はどうなるのか」と、電話の向こうから社長の声▼政府21年度予算案が衆議院を通過し、年度内成立が確実となった。開会中の県議会でも予算案の審議が続く。最優先課題のコロナ対策に244億円。公共事業費は499億円と前年(496億円)並みが盛り込まれている▼ただ、国からの補助金が多くを占める公共事業は、例年通り国予算成立後の配分を受け「6月補正」で実質予算が固まる。果たしてどのくらい積み上げられるか▼県公共事業費の移り変わりは、ここ数年微増だが20年前の2000年度1190億円に比べても約半分。業者の数や頻発する自然災害からみてもまだまだ物足りない。(鷲)

みちしるべ

2021-03-04
 1958年に建築家・村野藤吾氏の設計により建設された米子市公会堂。2006年に、老朽化により閉鎖する案が浮上したが、市民から維持を求める声が多数を占め、最終的に維持方針が決定した▼改修工事は当時の建築思想を尊重し、天井構造や外装タイルなどの細かい部分まで忠実に再現。今もなお、市の文化の殿堂として多くの人に親しまれている▼最近では、北栄町の風力発電事業が継続か廃止かの議論がなされ、整備中の山陰道北条道路に近いことや県内の風力発電施設で事故が発生したことが懸念され、事業継続が事実上廃止となった▼古くからある名建築が建て替え時期を迎える中、維持する場合は多くの課題を解決しなくてはならない。名建築を後世に残すという意味も含めた慎重な議論が求められる。(雛)

みちしるべ

2021-03-03
 きょう3月3日は桃の節句、雛祭り。ご自宅に雛人形を飾っている方も多いのではないだろうか。見目麗しく華やかな人形達にはついつい目を奪われてしまう。但し、仕舞い忘れにはご注意を▼人形は眺めて楽しむだけとは限らない。去る1月、用瀬町に伝わる「流し雛」行事が国の無形民俗文化財候補となった。平安時代にまで起源が遡れるこの行事は、人間界のケガレや災厄を雛人形に託し、川に流す=共同体の外へと放逐する事で幸せを願う一種の禊。現状の辛苦をリセットし、新たな福を迎えようという厄払いの儀礼であった▼各自治体で3月議会が開会し、来年度当初予算などが発表されているこの頃。昨今の世情には何かと不安や憂いも多いが、この機に一旦水に流し。新たな年に、仕事と幸の多からん事を期待したい。(梟)

みちしるべ

2021-03-02
 東日本大震災から10年になる。その後も、熊本、鳥取県中部、大阪府、北海道などで地震が発生している。そして、東北地方では規模の大きい余震も2月に発生するなど、気が抜けない▼自然災害は、全国各地で相次いで発生している。多くの人が、その後の復旧や復興を待たずに、住み慣れた故郷を離れている。災害によって、人がその地を出ていけば集落そのものが消滅する▼鳥取県の観光資源は、何といっても海や山の自然が売りだが、災害の危険も隣り合わせだということを忘れてはいけない。この地域はだいじょうぶだと思い込んでいることが被害を増大させる▼災害によって地域が疲弊してしまうことを少しでも減らす予防対策も欠かせない課題。ソフト、ハード両面の充実を多くの人が望む。(鷺)

みちしるべ

2021-03-01
 高齢者向けのワクチン接種が4月12日にも始まる見通しだ。ゆくゆくは集団免疫の獲得がベストな結果だが、専門家からは慎重な見方も▼懸念はウイルスの変異。既知の変異株3種のうち、特にブラジル型は従来型に由来する免疫活性を1割まで抑え込む。州都マナウスは一時国民の76%が感染。集団免疫を得たと言われていたが、再感染の波に襲われている▼欧州では急ピッチでワクチン接種が進むが、流行のさなかでの接種はワクチン耐性株の優先的選択を促す。再流行となれば次の一手は世界的な封じ込めとワクチンによる根絶。ただし人類史上これを果たせたのは、動物へ感染しない天然痘だけだ▼国内の散発的流行に留めるためにも、現状以下の感染ペースで3月を乗り切れるか。(鵯)

みちしるべ

2021-02-25
 厚労省の労働力調査によると、2020年12月末時点での建設業就業者数は492万人。10年同時期は504万人だったため、増減しながらではあるが10年で10万人以上の就業者が減少している▼要因のひとつにはベテラン技能者の退職が挙げられるのだろうが、問題は若者の建設業離れだろう。業界もイメージアップなどで変革を試みているが、どうか―▼以前土木分野で働く、ある若手技術者が「仕事で戸建ての駐車場舗装をしたところ、施主様から感謝してもらえて嬉しかった」と話していた。仕事のやりがいに繋がる話だが、逆を言えば、土木は人から感謝して貰う機会が少ないのだ▼言うまでもなく、土木は人々の生活を守るやりがいのある大切な仕事。早く建設業の仕事が世間に認知されることを願う。(鴨)

みちしるべ

2021-02-24
 鳥取市は、工事書類の簡素化を検討している。技士会との交流会で意見交換したほか、業者から聞き取りして意見を集約している。年度内に案をまとめ、4月1日以降に契約する工事から適用する考えだ▼現状、鳥取市の工事で作成する書類は約70項目ある。このうち提出書類を20程度まで減らす。維持修繕工事や小規模な工事ではさらに簡素化する▼求められる書類の数は国交省が最も少なく、次いで県、鳥取市が最も多い。今回は県並みかそれ以上の簡素化を目指している。いくつかの項目は提示書類とし、提出までは求めない▼工事の品質を確保することは当然だが、技術者が効率的に業務をこなすことも重要なテーマだ。技術者が働きやすい環境を整備し、若者が希望を持って入ってくる業界にしていかなければならない。(鷹)

みちしるべ

2021-02-22
 月日が経つのは早いもので2月も終盤に差し掛かり、補正配分を受けた各発注機関が賑やかになった。「少しでも条件のよい現場はないか」「上位業者の動きはどうか」―残工事を巡り、業者間で横にらみしながらの応札が続く▼工事公告は今がピークだが、開札は3月に入ってから。公告日よりも、むしろ開札日が気になるところ。日程は詰まってきた▼県工事の場合だと、「受注額」に今年度分が加算されるのは3月18日の開札分(落札決定は同19日)まで。土日を挟んで同22日以降の落札は新年度の受注に反映される▼入札不調はなにも応札者がない場合だけに限らない。発注元は「違算」に対してもヒヤヒヤしている。年度末の入札やり直しは応札する側にとって大きな打撃。すでに散見されるが、波紋が広がるのは必至。精査を。(鷲)

みちしるべ

2021-02-19
 新型コロナウイルス感染症が世間を襲う中、今週県内も真冬並みの寒気に襲われた。昨日には、山陰道鳥取西道路が朝の通勤ラッシュ中の交通事故で通行止めとなり、交通機関がマヒしてしまった▼今年は全国的にも「豪雪」の一言に尽きるが、うとまれる雪ばかりではない。粉雪、牡丹雪、泡雪など種類も様々で、真っ白い雪は幻想的で、雪のある景色はロマンティックでもある▼そして、大雪の時、何よりも頼りになるのが建設業者であるのは言うまでもない。この状況での除雪車はわれらにとってまさに「麒麟」。今年も何度となく助けられており、地元や地域のためにという「青天を衝く」かのように高い志を持って、昼夜を問わず除雪をしてくれる業者の方々に心を込めて感謝とエールの拍手を送りたい。(雛)
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