コラム
みちしるべ
2018-11-05
数多くの災害現場は順調にさばき切れるか―八頭管内で大型工事の開札が始まった。いくつか現場を抱き合わせて発注するも、なにせ件数が多すぎる。応札はあるか、または他社の動向はどうかと、受発注者双方が開札の状況を注視する▼「はしゃいでいるのは社長連中だけ」と、冷ややかに見るのは現場を預かる担当者。配置できる技術者はいるけれど、下請けや職人の手配はままならないという。近年、公共事業費を削減してきたツケは重くのしかかる▼事務所発注にこだわらず、本庁から3~4億円級の発注ロットでくくる必要もあったのでは。JVにはなるがスケールメリットは見込める▼中身と規模は不明ながら、年明けには消費増税対策の補正もあるだろうし、年度末にかけ幾ばくか余力を残しておきたくもなる。(鷲)
みちしるべ
2018-11-02
微妙な違いー。晩秋。最高気温が夏とは20度違う季節になった。紅葉の名所では“錦繡(きんしゅう)の秋”。ただし、地球温暖化に翻弄される昨今は、季節がずれることも。10月に桜が満開のニュースもあった▼微妙な違い。教師と教諭、金利と利息。普段、何気なく使っている言葉だが、実は厳密に言えば、意味は微妙に違っている。製作・制作、作製・作成もなども違う▼以前、「違いの分かる男」という流行語があった。コーヒーのCMで、50年ほど前に流行った流行語という。去年は「忖度(そんたく)」が、風邪の如く大流行した。これも人によっては解釈が違う▼お互いのコミュニケーションでも、双方向が肝心。開会中の国会も例外ではない。国民が納得できる審議をお願いしたい。(雉)
みちしるべ
2018-11-01
災害復旧工事の発注が本格化している。開札が進むにつれて応札者がなく不落札になる工事が目立ってきた。様々な要因が影響しているのだろうが、まず受発注者間の連携は取れているか▼発注において効率よく受注してもらうには受注者の現状を理解してあらかじめ計画を立てるべきだ。そのためには日ごろからお互いに理解を深められる関係を作り、情報共有することが重要だ。下準備もなく出たとこ勝負で「なんでだろうか」ではお互いが困ってしまう▼今後も災害復旧、豪雪対策など人々の生活を守るために重要な仕事を受注者は背負うこととなる▼今の課題を忘れることなく将来に活かさなければ次の災害でも同じことが起こってしまう。人々を守るためにしっかり取り組んでほしい(鶴)
みちしるべ
2018-10-31
公共の事業を民間に施設整備と公共サービスを委託する、PFIなどの手法を多くの自治体が取り入れるようになった。鳥取県でも、倉吉市に建設予定の県立美術館で導入が検討されている▼民間事業者が持つノウハウを活用することで、質の高い公共サービスを安く提供できる点が特長の一つ。行政・民間双方にメリットがあり、広がりをみせている▼一方、こうした手法では長期の契約を結ぶ事例が多いため、サービス水準を本当に維持し続けることができるのか、業務は問題なく引き継いでいけるのか、時代の変化に対応できるのか、などの懸念も生じる。担当する民間事業者が倒産してしまう可能性も否定できない。選択した手法が正しいものだったのか、真の評価を下せるのは未来でしかない。(雛)
みちしるべ
2018-10-30
国の各省庁概算要求、県の当初予算編成会議と、来年度当初予算への動きが本格化してきた。国土交通省の概算要求は前年比1・19倍。県は来春に知事選があるため骨格だが、災害復旧や防災など不可欠な事業の積極計上を確認している▼中国横断自動車道岡山米子線4車線化促進総決起大会が11月16日に衆議院第一議員会館(東京)で開かれる。同期成同盟会(伊木隆司会長)のメンバーが国交省幹部に早期実現を訴える▼県西部では20年の歳月と151億円の巨費をかけて建設を進めてきた岸本バイパスが11月23日に全線開通する。年間事業費6~7億円の県米子県土局管内「ドル箱」事業が消える▼懸案である米子境港間の地域高規格道路も急がなければ、管内土木予算の減少に歯止めがかからない。(鴉)
みちしるべ
2018-10-29
この時期は、一気に気温が下がるから体調を崩す人も多かろう。雨の季節は通り過ぎたが、近ごろの気象は変だから、油断はできない▼今年も極端に大きな災害が全国各地で相次いでいる。多くの犠牲者が出た被災地の復旧はこれから。冬を前に、その地で暮らす人たちは不安で仕方がない▼県さく井協会と、さく井技能士会が2005年から毎年続けている防災井戸の寄贈も15年近くになる。当初は、行政や住民も防災に対する認識がそれほど高くはなかったが、今は違う。特に水の確保は重要だけに、避難場所に設置された手動の井戸は必ず役立つに違いない▼費用がかかる井戸の設置は大変だが、この団体の防災意識は高い。熟練した高い技能を持ち、数多くの現場を知る人たちの地道な活動に感謝。(鷺)
みちしるべ
2018-10-26
上半期を終えた今年度の各建設関連市況を見ると、昨年度との同期比でいずれの数値も減少を示しており先行きが懸念される。本紙NEXT受注市況(N市況)は12%減の690億円、西日本建設業保証の前払い実績は28・8%減の463億円、生コン出荷総量22・9減の19万立方㍍、アス合材10・2%減の9万㌧。特に県内建設事業量を直接的に反映するN市況数値は過去5年間で最低水準の受注量を示している▼下半期には八頭地域を中心に億円物級の大型災害復旧工事が多く待ちかまえており、どこまで取り戻せるか今後の発注動向が注目されるが、現状数値で見る限るジリ貧状態▼地方経済の活性化や災害に強い県土を構築ためには、N市況数値が年間2000億円見当で安定的に推移していくことが必要だ。(雀)
みちしるべ
2018-10-25
鳥取県中部地震から2年。昨年に引き続き倉吉市では、福興祭が開かれた。当日は多くの来場者で賑わい、民間企業、行政などと一体となって、中部地区の「福興」を願った▼現在の復興状況は、農林水産業施設、土木、公共施設などの復旧工事はすでに完了。観光業では、外国人観光客宿泊者数が前年比40%の増となるなど、かつての賑わいを取り戻しつつある▼しかし今もなお、ブルーシートがかけたままになっている住宅があったり、倉吉市伝建地区の修繕工事などが残っていたりと、完全な復興まではあと一歩という状況▼倉吉市では、2024年度に県立美術館のオープンを控えている。県内外からの来場者に元気な中部地区がアピールできるよう、魅力あるまちづくりはこれからの急務だ。
みちしるべ
2018-10-24
暦の頃は23日から初霜が下りるといわれる霜降り。発注機関は、除雪業務の入札手続きに入るなどそろそろ冬支度が始まろうとしている▼今年度も災害の当たり年で、7月豪雨災害に引き続き相次ぐ台風災害で、発注機関は本当に猫の手も借りたい忙しさ。まずは、コンサル業界を総動員するなど災害復旧対応に追われている▼鳥取県土整備事務所管内は、昨年度もそうだったが、B級、C級向けの工事で入札不調が相次いでいる。災害復旧工事の多くは河川工事。どうもこの手の工事は昔から人気が薄いが、発注者は頭を痛めている▼技術者は何とかなっても実働部隊が…。下請けで手が回らない…。これから冬場に差し掛かかり施工条件はますます悪くなる。施工時期に柔軟性があれば何とかなるが。こんな声も漏れ伝わる。(鶯)
みちしるべ
2018-10-23
県東部土木施工管理技士会は、工業高校との交流会を開きICT技術を活用して施工が進む鳥取西道路の現場を紹介した。現在の建設業の現場は高校生にどのように映ったのだろうか▼建設業の担い手の確保が課題と言われるようになって久しいが、技士会がこういった取り組みを行うのは初めて。現場見学後には、建設会社に入社した卒業生と意見交換し、建設業に対する理解を深めた▼一時期は、工業高校の建設系学科を卒業しても、他の分野への就職を希望する生徒が多かったが、今では建設業を目指す生徒が多くなっているそうだ▼夢を持ちこの業界に入る若者が、やりがいを持って働きながら成長していくには、待遇や労働環境の改善も欠かせない。行政の協力も必要だろう。(鷹)