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コラム

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みちしるべ

2024-06-19
 総会シーズンも終盤。馴染みの顔がちらほら役職定年を迎え、しんみりしているかと思いきや「これで人材育成に集中できる」と前向きだった▼次世代の成長に関心を注ぎ、世話をしたいという感覚は「世代継承性」と言われ、50代から目立って発露してくるとか。種の存続を目指す本能的な欲求なのかもしれない▼一方で人事企業の調査によると、いわゆる労働生産性は50代前半で底を打つという。しかしそこから再び上昇基調に乗り、60代を前に40歳当時の水準を超えるそうだ。キャリアを再設計し、次の目標を見定めることが躍進につながると調査は指摘する▼続くステップの大部分を「後進の育成」が占めるのは想像に難くない。ベテラン層の活躍という観点からも、人材確保と生産性向上は不可分と言える。(鵯)

みちしるべ

2024-06-17
 久松山といえば、かつて鳥取城があり、現在では人々が集う鳥取市のシンボルの1つだ▼鳥取駅周辺からでもその姿は眺めることができる。ただ、以前に比べ中心部に中高層の建物が建ち並び、完全体はなかなか拝むことができない▼東京都国立市では積水ハウスが建設したマンションが、引き渡し直前で解体される見通しとなった。原因はまさに眺望。富士見通りと呼ばれる通りにマンションが建設されたが、その通りから見える富士山が隠れる形となってしまった。解体という結果に、当然だという声もあればやりすぎとの声も。いずれにせよ外野は成り行きを静観するのみか▼景観に絡んだまちづくりの議論は鳥取でも行われている。自然が多いまちだからこそ、景観を生かしたまちづくりがされることを願う。(隼)

みちしるべ

2024-06-14
 年に1度くる誕生日は特別な日であろう。昭和24年、年齢に関する法律が制定されてから祝うようになった。ケーキを食べたり、プレゼントをもらったり今となっては一般的に行われている▼今日14日生まれの一人にフランス人の物理学者・クローンがいる。電磁気学でクローンの法則を導き物理学者として有名だが、土木技術者でもあった。クローンの土圧は今でも土木工学で用いられる▼さて、誕生日が一緒の人と出会ったとき親近感がわくのはなぜだろうか。これは「誕生日のパラドックス」と呼ばれ、実際の確率と思い込みの間にズレが生じているからだ。数字を出すと思ったより高確率になる▼物事に対し、思い込みに基づいた判断は時に危険。物理学者も常識を疑い、大発見を果たす。たまには疑うのも悪くはない。(鴎)

みちしるべ

2024-06-13
 「安かろう悪かろう」―ついつい安値に飛びついて、結局は無駄に終わった経験はだれしもあるだろう。本来、品物が消費者の手元に届くまでの過程には、それなりのコストが上乗せされている▼コスパの良さの裏に、実は人件費にしわ寄せが行っているケースが多い。かつての県内業界は、委託でも工事でも8割受注が当たり前。その間、企業収益は減少し、人件費が下がり続ける負の連鎖に陥った▼いまだに「安ければよい」と、そのころの商慣習を引きずる受発注者間の契約がある。抜け出すことができるか▼改正建設業法が成立した。技能者の手元に適正な賃金を行き渡らし、新規就労者を増やす。国が示す標準労務費を大きく下回る契約を禁止し、工期ダンピングも禁じる。そろそろデフレマインドを転換しなくてはならない。(鷲)

みちしるべ

2024-06-12
 私は町中華が好きで、昔ながらの年季の入った建物やメニュー、気さくな店員さんなどとても魅力的だ▼先日、久しぶりにファミレスに行った時、タブレットで注文をするとロボットが配膳に来てくれ、食べ終わった後、テーブルで会計を済ませた。結局店員とは接触せずに退店▼確かにタブレットやロボットなど、これまで人間が行っていた業務を置き換えることで、人手不足の解決や速やかな食事の提供など飲食業の課題解決には貢献していると思う。ただ、食事をしているというよりも作業のように感じてしまい、どこか寂しさを感じた▼人材不足が深刻な問題になっている建設業でも人間の力以外に頼る部分は多くなっているが、ものづくりで人間味のないモノばかりができる時代が来るとしたら、それは味気ない。(雛)

みちしるべ

2024-06-11
 この頃になると、ラベンダーの花も咲く。梅雨時期の代表ともいえる「あじさい」のように大きくはないが、長く楽しめる▼この花は、日当たりと風通しの良い場所を好むが、長く続く雨と多湿を嫌がると聞く。それでも寒い冬も越す強さがある▼今年の梅雨はどうか。防災に携わる行政の人たちは、今年も機動的な豪雨対策への取り組みに力が入る。取材した排水ポンプ車の訓練では緊張感も感じた▼訓練には若い県の職員が参加。数多くの現場を経験した民間のベテラン技術者に安全面への注意を受けながら、器具の設置や操作の手順を教わっていた▼ラベンダーの花言葉の一つは「あなたを待つ」。この日参加した発注者の若い人達が災害現場の先頭に立ち、采配を振るう日も近い。期待を込めて待つ。(鷺)

みちしるべ

2024-06-10
 初夏の訪れを告げるアユ漁が県内河川で解禁され、愛好家が釣果を競っている。県西部の日野川では、産卵場整備や親魚放流などの努力の末、遡上量が回復傾向。地元漁協によると、今年は10年ぶりの水準に戻したとか。塩焼きで味わうのが楽しみだ▼一方、捕食するカワウの個体数も増加。「黒いギャング」と呼ばれる大型の水鳥で、関係者はドローンで巣にドライアイスを投入して卵を凍結させるなど、繁殖抑制対策に頭を悩ませている▼解禁といえば、来春卒業予定の大学生らを対象とした採用面接などの選考活動が始まった。人手不足を背景にした売り手市場が続き、企業側は確保へあの手この手。若鮎のような生き生きした存在をいかに獲得できるか。内定者のつなぎ止めに気を配る必要もあり、こちらも攻防戦だ。(鴛)

みちしるべ

2024-06-07
 近年、国際市場で和牛の活躍が目覚ましい。輸出額の伸びも好調で、国は10年間で6倍の出荷目標を掲げている▼肉といえば赤身の諸外国から見て、サシの入った霜降りの和牛は唯一無二の味わいを持つ特異な品種。ただ、肥育に使う飼料はほぼ輸入に頼っているとか▼人口増加が続く途上国の台頭で飼料需要は右肩上がり。厳しい円安局面で強い通貨に「買い負ける」ことも起きている。マクロな食肉の需給バランスが崩れる「タンパク質危機」の脅威は、思ったより身近に迫っているのかもしれない▼建設業界を襲ったウッドショックもまた、これとよく似た構図と言える。しかしプラントベースフードや培養肉のような代替手段が未だ見えてこない中、国内自給率を高めるための議論はおろそかにできない。(鵯)

みちしるべ

2024-06-06
 先日、街なかで珍しい昆虫を見かけた。体長は小さく、黒色で一瞬身構えたが、よく見ると光っている。蛍だったのだ。住宅街だったので大変驚いた▼幼いころは自宅近くにある樗谿(おうちだに)公園に、家族と一緒に蛍を見に行っていた。しかし、環境の変化などで年々蛍が減っていき、蛍を見に行くこともなくなった▼街なかでは宅地開発が進み、住宅などが建てられている。十数年前は田んぼや畑があった鳥取市の中心部に近い地域も、今では真新しい住宅やアパートなどが建ち並ぶ▼都会に行くと迫りくるビル群に息が切れてしまう。鳥取のような地方でもそこら中に建物が建ってしまうと、自然が多いというせっかくの地方の良さが失われてしまう。地方の良さを取り入れた街づくりを県内自治体に期待する。(隼)

みちしるべ

2024-06-05
 電気料金の値上げが止まらない。6月使用分の電気料金は電力会社10社全てで値上がりに。3カ月連続で上がっているが、これから暑くなる季節。冷房の使用で家計は圧迫されるだろう▼日本の国内発電電力の割合は、化石燃料を使う火力発電が7割近く占める。天然ガス・石油・石炭などの燃料価格が高騰する限り電気の値上げは止まらない。電力会社は更なる単価・プランの見直しが必要だろう▼電気料金は上がっているものの、やはり家電は生活する上では欠かせない。東日本、西日本では電源周波数が違うことにより、東日本で購入した家電を西日本で使用、またその逆をすると、性能の低下や故障を招く原因に。引っ越しをするとき注意が必要となる▼それにしても電気料金はどこまで上がるか。解決策はあるだろうか。(鴎)
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