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コラム

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みちしるべ

2020-12-28
 近年「激動」の二字で括られなかった年はない。しかし誰もが世界規模で発生する危機の当事者になった2020年は、中でも激動・激変の一年だった▼あらゆる社会の仕組みが変革を強いられ、建設業界でもデジタル化や働き方改革の推進へ大きく舵を切った。一方でウイルス自体も変異を遂げ、再び猛威を振るい始めている。刻一刻と変わる情勢に我々はどう向き合うべきか▼地方にとって一つの追い風は移住者の増加だ。地方創生の切り札は「よそ者・若者・馬鹿者」と言われる。今後伸びる地方には、アウトサイダーを受け入れる土壌が必要だ。その受け皿となる施設や雇用の整備に業界が果たす役割は大きい▼その道を照らす導となれるよう、21年も精一杯努めて参ります。良いお年を。(鵯)

みちしるべ

2020-12-25
 県内の建築確認申請数は今年4月から10月までで1239件(1~4号)となり、前年同期と比べ209件減少している。だが、東部地区では住宅地の造成や住宅建築が各地で進められていて建築数が減ったという印象はない。ある社長は「人口は減っているが住宅を建てる人は増えている」と話す▼とっとり住まいる支援事業でも、子育て世代の申請は多いが三世代同居の申請はあまりない。つまり、核家族世帯が増えていると言える▼昨今は共働きが当たり前で、整備が急がれるのが保育所や放課後児童クラブだ。鳥取市内では放課後児童クラブ数がこの20年で約50施設も増えている▼既存施設を間借りしているところが多く、今後利用する児童数が増えれば専用施設を自治体なり民間なりで整備していく必要があるだろう。(隼)

みちしるべ

2020-12-24
 新型コロナ一色となった2020年。建設業界では、公共工事が順調に推移し、幸いにもそれほど大きな影響は今のところ出ていない。しかし、民間の建築工事は例外で、経済の低迷などにより工事計画の見直しが余儀なくされた。特に中部地区では今年度、公共の建築工事の発注が少なかったため、この状況を憂慮する業者も少なくなかった▼しかし、来年度以降は明るい話題もポツポツ出てきた。北栄町では道の駅北条公園の再整備。三朝町では新小学校の建設事業、湯梨浜町は公民館の改修に町営住宅整備、琴浦町では、生涯学習センターの改修に取りかかる▼これら事業に不可欠なのは、地元企業の参画だ。地域のインフラはその地域の建設業者が守っている。地元企業をないがしろにした工事計画は、地域の発展を阻害する。(鴨)

みちしるべ

2020-12-23
 先日、県東部土木施工管理技士会と鳥取県土整備事務所の若手・中堅技術者による技術交流会が開かれた。今年は若手・中堅技術者の抱えている課題について意見交換した▼建設業の担い手不足を解消するためには若手の確保と育成が欠かせない。若い人が働きやすい環境を作るため、意見を交わした▼発注者、受注者とも若手を定着させるには、業務を効率化しワークライフバランスを充実させることが不可欠と指摘。逆に言えば現在の建設業界は技術者の負担が大きいということだ▼10年前、この交流会で議題に挙がっていたのは、書類の簡素化とワンデーレスポンス。今と同じような話だ。このことからも簡単に解決できる問題ではないとわかる。だがいつまでも技術者に負担をかけていては業界の存続も危ぶまれる。(鷹)

みちしるべ

2020-12-22
 県内土木技術者の労働環境は改善しているか―県土木施工管理技士会が9月に実施した実態調査結果がまとまった。19年度の平均年収は440万円。4年前の調査441万円から横ばいだった。労務単価や各種経費は上昇しているはずなのに▼詳しい要因は不明だが、企業としては利益が出ればボーナスを調整弁に、基本給はあまり変動させないということか。経営者にとっては耳の痛い話だろう▼一方、残業時間は月平均35・8時間から16・9時間と大幅に縮小。「4週8休」も37・3%で導入しており、全国平均13・4%よりもかなり進んでいる▼また、調査では建設業に魅力を感じない理由に「社会的評価が低い」と答えた割合が前回の17・1%から33・3%に急増した。福利厚生面の待遇も含め、まだまだ改善する余地は多い。(鷲)

みちしるべ

2020-12-21
 今年の新語流行語は「3密」が年間大賞に決まった。新型コロナウイルスの感染拡大防止策として誰もが取り組み、発した言葉だ。本来は前向きな言葉が望ましいが、新語という意味では全く新しい言葉として定着した▼建設業界の場合はどうだろうか、「BIM/CIM」「インフラ分野のDX」「国土強靭化」などが思い浮かぶ。業界では聞き覚えのある用語で、来年以降も登場頻度の増加が予想される▼毎年、新語流行語が生み出されるが、その一方で使われなくなり、消えていく言葉もある。真の流行語とは、誰もが意味を理解し、何の違和感もなく使われてこそ価値がある。逆に考えると一度定着してしまえば、その用語や施策は成功と言える。建設業界の新語・流行語が知れ渡る時代が来ることを期待したい。(雛)

みちしるべ

2020-12-17
 日本の雪女譚と言えば、小泉八雲『怪談』中にあるものが最も有名だろう。麗しい姿で現れ人間と夫婦の契りを交わす一方で、行き逢った樵の命を徒に奪いもする。冬空から訪れる、冷たく白き来訪者。八雲の描く雪女のイメージには、日本人が雪に対して抱いてきた美意識と畏れがよく顕れているように思う▼強烈な寒波の影響で、彼らの一隊が今週遂に門戸を叩いた。山並みも平野もたちまち白く染められて、既に高速道路の通行止めや倒木被害なども発生。吹雪の道を走っていると、美しくも恐ろしい思いがする▼雪と深く馴染んで生活文化を営んできた我々にとって、吉凶併せ持つ雪への対処如何が死活問題と成り得る事は改めて言うまでもない。安全確保を第一に。官民ともに決して侮ることなく、警戒を強めていきたい。(梟)

みちしるべ

2020-12-16
 様々なニュースが毎日飛び交う今の時代、今年1年どんな出来事があったのかすぐに忘れてしまう。しかし、今年は年明けから気分が滅入る話が続き、今日もニュースのトップは変わらない▼他にも大きなニュースはあった。ゴーン被告、豪雨災害、安倍首相の辞任と自民党総裁選挙、菅内閣発足。しかし、マスク、緊急事態宣言、不要不急、自粛などの見出しに埋もれた▼県内の建設関連業界も今年は違った。定時総会は書面決議、数多くのイベントが中止。ボランティアの清掃だって密を避けながらの活動が続く▼業界は、年度末を控えて急がしい毎日だ。体調の管理はもちろんのこと、天候や補正予算の動きにも目が離せない。社会の環境は依然厳しいが、来年の今頃、いい一年だったと振り返りたい。(鷺)

みちしるべ

2020-12-15
 今の季節、晴れた青空には美しい大山の雪化粧。目に入るとほっこりとした気持ちになる人も多いのではないか。今週から鳥取県でも気温がグッと下がり、雪予報も出ている。今年も残すところ1カ月、急な気温差には体調管理に気をつけたいところ▼この時期になると「冬のボーナス」のニュースがあちらこちらで話題となる。10日に支給された県職員のボーナスは去年より平均5万円程下がり、民間企業でも数多くの産業で減少すると予想される。リーマンショックを超える減少幅になる企業も出てくるだろう▼今後、どうなるか分からない今の状況で経営陣はボーナス査定に頭を悩ませ、社員は少しでも多くのボーナスに期待する▼肌身では寒く感じ、懐は暖かくなってほしい時期。早く経済状況が良好になることを願っている。(鴎)

みちしるべ

2020-12-14
 与党の21年度税制改正大綱が決まった。経済に深刻なダメージをもたらしたコロナ禍にあって、公共事業と共に財政政策の両輪をなす税の動きには、例年にも増して注目が集まる▼中身はデジタル・脱炭素化の推進、住宅や車の減税延長など、企業の積極的な投資促進とコロナ対応に重きを置いた。総額500~600億円規模の減税には頭が痛いだろうが「経済回復なくして財政再建なし」の基本理念に従えばやむなしか▼カギはやはりDXだろう。諸外国が2倍以上のGDP成長を見せる中、国内では小数点以下に留まっている背景には、デジタル化の遅れが大きく響いていると言われる。押印廃止などは第一歩に過ぎず、後年「2020年が契機だった」と振り返られるほどの革新が必要だ。(鵯)
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