コラム
みちしるべ
2020-10-07
県発注の建設工事で2020年度の優良施工者45社が決まった。今年は何といっても選考基準が厳しかった。工事成績の最高点は88点だし、基本ラインが85点以上というのは過去に例のない高いハードル▼表彰現場をみれば、以前のような華々しい改良工事からは少しずつ趣が変わってきている。近年は災害復旧や災害対策といった防災工事が目を引く▼今回の表彰のうち「土木一般」部門は26件。なかでも、八頭県土整備事務所管内の7件が際立つ。それもすべて「平成30年災」の復旧工事▼着工当初は資機材や人手も不足して混乱もあった。大小の復旧現場を何カ所も組み合わせての発注で、工事書類を作成するにも大変だっただろう。受賞が決まり、担当技術者の苦労も少しは報われたか。深くねぎらいたい。(鷲)
みちしるべ
2020-10-06
今年から運用を開始している「5G」。現在普及している「4G」と比較すると高速、大容量、低遅延が特長で、4Kなど高画質の動画配信や低遅延の特長を生かして車の自動運転などに活用される▼建設業ではゼネコンや建機メーカーなどが共同で「5G」と人工知能「AI」、インターネットで物と物を結ぶ「IoT」を活用し、遠隔・無人化施工が可能な建機の開発を進めている▼国交省がデータとデジタル技術を活用したインフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の検討を開始した。対面主義にとらわれない新たな働き方や、工程管理などのAIの活用、建設生産プロセスの変革などが狙いだ。今後技術が発達し、企業や携わる人によってうまく現場に取り込んで進展していくことを願う。(雛)
みちしるべ
2020-10-05
時代が変われば学校もまた変わる。2016年の学校教育法改正により生まれた「義務教育学校」は9年間の義務教育を一体化した新しいかたちの学校だ▼従来の6-3年制のみならず、教育課程も自由に編成できる。福部未来学園・鹿野学園など、これまで県東部での設立が目立ったが、最近は日野郡でも。江府町で施設分離型、日野町で施設一体型で。町立小中学校を統合し一つの義務教育学校を新設することが決定している▼人口減により複数の小学校、中学校を統廃合するというのは馴染み深いが、小中学校を纏めて一つに、というのはやはり真新しさを覚える。県内若年層の人口推移を見ると、ここ10年で約2万人減。特に郡部では著しい。時代の潮流に則し、こうした動きも今後ますます一般的なものとなるかもしれない。(梟)
みちしるべ
2020-10-02
10月は、秋晴れの空をイメージするが、近ごろの気候は目まぐるしく変わるから、あまりのんびりした話はできない。もう少し雨の心配は必要だ▼10日ほど前には、県内でも記録的短時間大雨情報が発表されるなど、ゲリラ的な豪雨が一部のエリアで発生した。少し離れた場所では雨も多くなかったことを考えると、やはり怖い▼気象情報などを県が配信するメールから河川や道路の状況などが多く届いた。気持ちが滅入るほどの受信回数だったが、現地の緊張感がリアルタイムで伝わってきた▼今回の記録的な豪雨は、人口の少ない山間地域に集中した。高齢者が多く、長く暮らし続けている家を災害で失えば集落そのものが消滅する恐れさえある。的確で素早い情報提供と充実した災害対策が欠かせない。(鷺)
みちしるべ
2020-10-01
3~5年以下の懲役又は50~100万円以下の罰金、更に免許取消し。今年6月30日施行の妨害運転罪。あおり運転に対する罰則が厳しくなったものの、日々のニュースでは未だに後を絶たない▼ハンドルを持つと性格が変わる、とはよく耳にするが、運転していてイライラする場面によく遭遇する。統計的には、方向指示器を出さない急な進路変更、強引な割込みなどがイライラの大きな要素だが、県内を走っていても必要以上に車間距離を開ける、停止線があるにもかかわらず必要以上に手前で停車する、右折信号での強引な直進入、何を見ているのか分からないがなかなか発進しない車、などなどイライラを誘うドライバーが目に付く▼10月は絶好のドライブ日和。ルールとマナーをしっかり守ることを心がけなければ!。(雀)
みちしるべ
2020-09-30
改正建設業法がいよいよ明日10月1日から施行。「働き方改革促進」「現場の生産性向上」「持続可能な事業環境の確保」を柱にした、実に25年ぶりの抜本的改正だ▼経営業務管理責任者に関するルールの合理化、また新設される技師補のサポートを前提とした監理技術者の配置要件緩和など、業界の裾野を広げつつ個々の生産性向上を図る取り組みは避けて通れない▼枠組みは整うが、問題は実効性。日建連も会員企業の実践を求めているものの、民間を含めた工期設定などにどこまで切り込めるかは様子見の段階か▼コロナ禍で低迷していた受注も底打ちの兆し。インフラメンテナンスは今後一層の需要が見込まれる。GDPの10%を支える建設業界が向かう先は、今後数年に大きく左右される。(鵯)
みちしるべ
2020-09-29
来月1日から7日まで全国労働衛生週間が実施される。スローガンは「みなおして 職場の環境 からだの健康」▼今年度の重点取り組み事項は、建築物の解体などの前に義務付けられている「石綿ばく露防止対策」の徹底や、高年齢労働者の労働災害防止対策だ▼建設業の労災発生件数は、長期的に見れば減少傾向にあり、近年の業界全体の意識向上、様々な取り組みの効果が現れていると言える。しかしその一方で、技術者の高齢化や担い手不足による未熟労働者の増加から労働災害が発生する危険性が近年高まりつつある▼労災は「これくらい大丈夫だろう」という気の緩みから発生するものが多い。労働者、家族、企業が幸せでいるために、建設業が選ばれる仕事になるために、今がとても重要な時期だ。(鴨)
みちしるべ
2020-09-28
最近妙に考えさせられたことがある。県東部土木施工管理技士会と鳥取県土整備委事務所との技術交流会で、技士会が設計通り施工できなかった現場の例を紹介し、最適な解決策を出し合った時だ▼施工業者は安全で効率の良く、早い施工方法を望む。発注者は施工可能と思われる工法の中で最も安い工法を採用しようと考えているように感じた▼限られた予算を最大限有効に使うためにはコストの縮減も重要な要素だ。過大積算はいけないが、できる工法かどうかをきちんと見極めることも必要だろう▼「互いの立場を理解し、良質なインフラをつくるという同じ目的に向かう」。東部技士会の野藤悦男会長があいさつでよく口にする言葉だ。そのためには互いの意見を聞く場を増やしていくことが必要だろう。(鷹)
みちしるべ
2020-09-24
今や、携帯電話は生活必需品―。菅義偉新首相が「スガノミクス」の一つ、携帯料金の値下げに意欲を見せている。考えてみれば、ライフラインの電気・ガス、水道に比べても料金は高く、世界的に高水準だ▼値下げとなれば、ありがたいが、喜んでばかりでもいられない。通信速度など、サービスが下がれば元も子もない▼業界でも「安ければいい」といった風潮が続く。ある建設資材会社は「叩かれて安いものでは良いものは造れない」ときっぱり。紙面では伝えられない現場の実態を教えてくれた▼工事品質の維持に不可欠な資材、それに人件費や安全管理費など、どこかにしわ寄せは行っているはず。経審上では利益が上がっていても、労働環境はどうか。病理はすでに人手不足など足もとの課題に現われ始めている。(鷲)
みちしるべ
2020-09-23
新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが激減し、苦境に立たされている観光業を救済するべく始まった「GoToトラベル」キャンペーン。今後も、飲食業やイベントを支援するキャンペーンが実施される予定だ。県内でも、各市町村独自の商品券を発行し、地域の経済活性化を図っている▼しかし、先日県内で初めてクラスター(感染集団)が発生してしまった。これを受けて県は1日施行の「クラスター対策条例」を初適用した。幸い、市中感染の可能性は低く感染者が爆発的に増えることはないだろう▼これから感染者が全国的に減少していき、更に様々なキャンペーンで、県を跨ぐ人も増えていくだろう。その時こそ気を緩めずに、3密を避けたりマスクを着用したりを気を付けて生活しなければならない。(雛)