コラム
みちしるべ
2020-08-19
最近、若手技術者を対象にした基礎研修会で女性技術者をよく見かける。女性技術者を積極的に育てようとする企業の姿勢に、建設業の担い手不足を打開しようとする気概を感じる▼建設業で働く女性を増やすことは、顧客に安心感を与える、現場の雰囲気が明るくなるなどメリットは計り知れない。また、最近ではBIM/CIMの活用など、緻密で正確さが要求される業務を女性に任せている会社も少なくない。「建設業は男社会」と固執していては、今後の人材育成に大きな遅れをとることになる▼しかし、現場での女性用化粧室・更衣室の設置、家庭との両立など、まだまだ女性にとって働きやすい職場環境と言えないのも事実。早期解決は難しいが、着実に取り組んでいきたい課題だ。(鴨)
みちしるべ
2020-08-18
鳥取西道路が開通して1年あまりが経過した。開通により多くの車が西道路を利用し、開通前と比べて国道9号の交通量は50~70%減少、特に大型車の減少が大きかった▼移動時間のばらつきが減少したことで、製造業では計画的に業務が行えるようになったほか、配送の効率が上がりドライバーの働きやすい環境が整った。移動時間の短縮で残業時間の削減につながった企業もある▼安全面では、交通が分散することで事故件数が3割減少。事故通行止め時の迂回時間も短縮しており、安全性が向上していることが明らかだ▼鳥取県内の高速交通網は、まだ未整備区間がたくさん残っている。道路を整備することで得られる効果をPRし、県民がしっかりと認識することが整備を促進する力になるだろう。(鷹)
みちしるべ
2020-08-17
県が発注する「測量等業務」の総合評価。22年度の本格実施にあたり先月、県と協会が受注各社から聞き取りした意見がまとまった▼簡便型は保有技術者数の採点に、中下位業者はおおむね現状維持で一致。上位からは技術者数の上限撤廃を求める意見が寄せられた。一方、地域密着型では測量、土木コン、補償コンの全業種を一本化し、発注件数の確保を希望する声が大勢を占めた▼いまだ、どの業務に総合評価を適用するのか明確な基準がない課題も残る。最終的に制度を決めるのは発注者の専権事項。しかし、個々の会社経営を揺るがしかねない決断は容易でない▼この結果、意見がばらばらでは大幅な見直しは考えにくい。県は年度内に方向性を出すとするも、相変わらず制度改正後のビジョンは見えないままだ。(鷲)
みちしるべ
2020-08-12
7月からプラスチック製レジ袋の有料化が始まった。マイバッグを持ち歩くのは意外と面倒で、コンビニなどでは、ちょっとしたものならシールを貼って対応してもらっている。数円払えばレジ袋を貰えるが、汚染を防ぐためプラスチックごみ削減をうたいスタートした制度。プラスチック製の袋を持つことを後ろめたく感じてしまう▼レジ袋は日本のプラスチックごみ全体の2%程度で、削減による環境汚染防止への効果は大きくはないという。有料化は身近なレジ袋を象徴に、ごみ問題へ関心を持ってもらうきっかけづくりの側面もある▼自然界でプラスチックが分解されるには膨大な時間が必要。適切に処分されなければ海にたまり続けていく。レジ袋有料化を契機に行動を見直し環境問題へ目を向けてほしい。(雛)
みちしるべ
2020-08-07
発注者側のミスを原因とする落札取り消し措置。受注者の抱える不満の一つとして、意見交換会などでもしばしば話題に挙がる課題だ。年度末に予定されていた工事が積算ミスにより繰越、というケースも時折起こるが、当てにしていた業者にすれば大打撃と成り得る。こうした事態が頻発する状況下では受注計画の策定も危ぶまれる事になる▽今年も某機関が発注した工事で、決定方法に不備があった、との理由で落札決定が取り消される事態があった。原因は同価格入札者のくじ引きを行う際、誤って失格者も人数に含んでしまっていたこと。話を聞けば単純なミスに思えるが、それに振り回される業者の側は大変だ▽無駄骨折りが重なれば、受注者は心身ともに煩労する羽目になる。その意識を強く持って業務にあたってほしい。(梟)
みちしるべ
2020-08-06
「マスクの夏」になることなど考えもしなかった。梅雨が明ければ猛暑。移動に使う車に一人で乗り込むと同時にマスクを外して、ほっと一息。換気も気になるから、窓を少し開けて運転する▼もうすぐ盆休みだが、今年は普段と違い帰省客も少ないだろう。毎年見かける空港や駅での出迎えや、見送る光景もあまりないのではと思うし、単身赴任のみなさんは家族に会いたい気持ちを抑える▼建設業界の夏休みは働き方改革の推進を掲げるため、長い連休になる企業も多い。ゆっくり休める人がいる一方、電気や水道、道路などライフラインの整備に携わる人は、緊急時に備えている▼こんな世情の中で迎える普段とは違う雰囲気の夏休みになるが、少しだけ穏やかな気持ちで過ごせればと誰もが思う。(鷺)
みちしるべ
2020-08-05
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない。県内でもここ1週間感染者が発生している。3密を徹底しなければならない▼コロナ感染は経済的にも大きな影響を与え、住宅建設をはじめとする民間建築動向は低調感が漂う。鳥取市では、対策の一つとして7月に20万円を上限とする住宅小規模リフォーム助成金制度を展開し、個人住宅等の小規模営繕の促進を図っている。また、大山町も住宅リフォーム券(1万円)を住民全員へ配布、さらに倉吉市も鳥取市同様の住宅リフォーム助成予算を補正予算化するなど、コロナ対策に向けた地域経済対策が講じられている▼地方経済を支える建設業。公共事業は景気策として最も効果的であることに変わりはない。防災・減災対策とコロナ景気対策に向けた公共事業の促進が求められる(雀)
みちしるべ
2020-08-04
7月末から梅雨明けラッシュで、残すは東北北部のみ。迎える夏本番、豪雨被災地での復旧作業は熱中症リスクが懸念される▼線状降水帯が猛威を振るった陰で、7月は台風が一つも発生しなかった。1951年の統計開始以来、初の出来事だという。そのぶん今後一斉に――という理屈にはならないが、海面水温は高く台風が発達しやすい状況。「この状態が続くとは限らない」と、気象庁は警戒を呼び掛けている▼一方で県内の新型コロナ感染も、7月末から報告が相次いだ。それでも3日現在の累計は人口10万人に対し約3人で、全国的にもベスト5に入る水準を保っている▼とはいえ相手は未知の感染症。追える統計は日々の検査数程度だが、台風同様「この状態が続くとは限らない」。(鵯)
みちしるべ
2020-08-03
気づけばもう8月。今年は平年よりも梅雨明けが遅かったせいか、夏の到来が遅く感じる。気象庁によると、今週は一転して高気圧に覆われて晴れる所が多く、最高気温が35度以上になることもあるという▼建設業ではこの時期、熱中症対策が大きな課題となっている。昨年の業種別の死亡者数をみると、全体の4割(10人)が建設業で発生している▼業界も休憩場所の整備、透湿性・通気性の優れた作業着を着用するなどして対策を進めている。しかし、一番危険なのは、「自分だけは大丈夫」といった過信や、「周りが頑張っているから自分も無理して頑張ろう」といった意識を持つことだ▼人にはそれぞれ自分のペースがある。それをよく知った上で万全の対策を施し、厳しい夏を乗り切って欲しい。(鴨)
みちしるべ
2020-07-30
7月の最終週から8月の第1週にかけて鳥取市は、各業界団体と意見交換会を開催している。市が提示している議題は、2021・22年度格付けについてだが、現行から変更する点はないようだ▼一方、各業界はそれぞれの懸案事項を示し、市に改善策を検討するよう要望する見通しだ。人材の育成や働き方改革など建設業界にも課題は多い▼先日、第1弾となる造園建設業協会東部支部との意見交換会が開かれた。業界は、格付けよりも入札制度や緑化推進のための啓蒙活動に関心が高いようだった▼入札制度については競争性を確保しながらも、受注が偏ることのないような制度にすることを提案していた。誰もが納得する入札制度は難しいが、いろいろな意見を聞くことは、制度を検討する上で重要だろう。(鷹)